建設業のムダ取りに挑戦!KSKが「住宅マネージャー」のタブレット版を発売
2013年6月7日

管理人のイエイリです。

KSKは工務店向けに、住宅建設の業務全般をサポートする「住宅マネージャー」を開発・発売しています。見積もり・受注から生産・出荷、工事後の定期点検などアフター管理までの情報を一元管理するもので、2012年にはクラウドを利用したSaaS版も登場しました。

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「住宅マネージャー」の建売・分譲対応版機能(資料:KSK。以下同じ)

そして、今度はさらに業務効率を高めるため、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

建築現場で入力・閲覧

 

できるように、タブレット端末で最適表示できる「スマートデバイス最適化ソリューション版」を6月3日にリリースしたのです。

この新製品は、ユーザー企業からの強い要望を受けて開発されたそうです。建築現場にいながらタブレット端末を使って見込客情報や顧客情報、工事の工程情報、アフター業務の情報入力や閲覧ができるほか、設計図書の閲覧と手書き修正、工事現場写真登録ができるようになります。

例えばトップ画面には、「佐藤次郎さんから契約金の入金がありました」といったお知らせや掲示板、スケジュールなどの新着情報が表示されます。まるで社内版のSNSのようで、契約金の入金情報などを共有することは「よっしゃ、やった!」社内のモチベーションが高まりそうですね。

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契約金の入金情報も共有できるトップ画面

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写真情報入りの工程管理画面
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アフター情報の閲覧画面

タブレット端末は機種が多いため、複数の機種で同じような画面を表示するのが難しいという問題があります。そこでこのシステムでは、端末に合わせてHTMLやJavaScriptを自動変換する「x-fit(クロスフィット)」という同社開発のシステムを使用しています。

同社のプレスリリースでは、タブレット端末を使う効果として「現場での入力が可能となり、業務効率のアップを実現しています」と、さらっと書いてあるだけですが、この手の業務効率化は今後も改善の余地が大きいのではないでしょうか。

例えば、「カンバン方式」で有名なトヨタ生産方式を編み出したトヨタ自動車工業の元副社長、大野耐一氏は次の「7つのムダ」を挙げています。

  1. 作りすぎのムダ
  2. 手待ちのムダ
  3. 運搬のムダ
  4. 在庫のムダ
  5. 加工のムダ
  6. 動作のムダ
  7. 不良をつくるムダ

このほか、建設業では次のムダもありそうです。

  1. お客様の要求に見合わない最終製品を提供するムダ
  2. 活用されない知見のムダ
  3. チームワークの欠如のムダ

建築現場にいながら顧客や工程、キャッシュフローの最新情報を閲覧し、入力によって情報発信できることは、「手待ちのムダ」や「動作のムダ」を大きく減らしてくれそうです。

さらに掲示板などを現場でSNS的に利用することで、「活用されない知見のムダ」や「チームワーク欠如のムダ」も減らせそうです。

今回の住宅マネージャーのタブレット版のほか、建築のBIM、土木のCIMでも、今後のポイントとなるのは

 

施工段階のムダ取り

 

ではないでしょうか。

施工段階では、いまだに時間や移動・運搬などに関するムダがたくさんあり、その量はプロジェクト全体の3割程度にも及ぶと言われています。

この3割のムダを住宅マネージャーのタブレット版や、BIM/CIMでなくすことで得られる原資は、施主や発注者への請求額ダウンのほか、施工会社の利益アップや設計会社の設計料アップに充てられ、文字通り“三方良し”の結果を生みそうですね。

「乾いたタオルを絞る」という言葉で表現される製造業のムダ取り精神や手法は、建設業の生産性向上に大いに参考になりそうです。

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