管理人のイエイリです。
無数の道路や建物からなる都市を、デジタルツイン(デジタルの双子)化するのは、一つ一つ、3Dモデルを手作りしていると大変な作業です。
そこで、フォーラムエイト(本社:東京都港区)では、同社が開発・販売3DVR(バーチャルリアリティー)シミュレーションソフト「UC-win/Road」に、お役所が無料で公開しているオープンデータを使って、都市のデジタルツインをスピーディーに作れる機能を追加してきました。
まず、国土交通省が公開している3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」との連携では、以前のバージョンからFBX形式やOBJ形式、CityGML形式で街並みのデータを読み込む機能を搭載していましたが、2023年7月14日にリリースされた最新版の「Ver.17」では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
CityGMLを書き出す
機能も追加されたのです。(フォーラムエイトのプレスリリースはこちら)
つまり、UC-win/Roadで作ったり、編集したりした都市デジタルツインのデータを、PLATEAUと完全互換の「CityGML」形式で書き出せせるというわけです。
下の画像は、UC-win/Roadで作成した京都市内の都市デジタルツインをCityGML形式で書き出し、フリーソフトのCityGMLビューワー「FZKViewer」で開いたところです。左端に各ビルの属性情報が表示されているのがわかります。
この機能を使うと、UC-win/Roadで都市のデジタルツインを作成し、”自家製PLATEAU”を作ることもできるわけですね。
「Ver.17」では、国交省が公開している
「浸水ナビ」のデータ
も読み込めるようになりました。
UC-win/Roadの津波プラグインに、「浸水ナビ」のサイトからデータをダウンロードして、時間経過に応じた浸水範囲や水位の変化などを、可視化シミュレーションできるものです。
このほか、Ver.17では世界で使われている交通シミュレーションソフト「PVT Vissim」(ドイツ・PVT社製)との連携機能も搭載し、渋滞状況や歩行者の動きも含めた都市デジタルツインを構築できるようになりました。
こうしたお役所が公開している無料のオープンデータを使うことで、ほとんど3Dモデルづくりに手間をかけることなく、高品質な都市デジタルツインが簡単に作れる時代になりました。
これからは、「使えるデータ」をいかに効率的に発見するかというスキルも必要になってきそうです。