住宅現場を2分でデジタルツイン化! AI施工管理「zenshot」でリビングディーが移動のムダを60%削減
2023年7月19日

管理人のイエイリです。

静岡県や山梨県などで年間100棟の注文住宅を手掛ける工務店、リビングディー(本社:静岡県冨士市)の悩みは、現場監督が各現場を巡回する移動時間が大きな業務負荷になっていることでした。

そこで導入したのが、東京大学発のスタートアップ企業、SoftRoid(本社:東京都千代田区)が開発したAI(人工知能)施工管理サービス「zenshot」です。

現場で作業する大工さんが、360°カメラを持って現場内部をぐるっと回って2~3分、動画を撮影するだけで、現場の内部を

ナ、ナ、ナ、ナント、

デジタルツイン化

することができるのです。(SoftRoidのプレスリリースはこちら

現場を回りながら360°カメラで動画撮影する大工さん。2~3分で完了する(以下の写真、資料:SoftRoid)

現場を回りながら360°カメラで動画撮影する大工さん。2~3分で完了する(以下の写真、資料:SoftRoid)

撮影した動画データをもとに、AIがデジタルツインを作成する様子

撮影した動画データをもとに、AIがデジタルツインを作成する様子

撮影した動画データは専用のカメラスタンドからクラウドに自動的にアップロードされ、AIシステムが2~3時間で撮影位置などを解析して図面上にプロットします。

現場監督はパソコンやスマートフォンなどで図面上にプロットされた位置と360°写真をクルクル回して見ながら、施工状況を確認することができます。

また、過去の写真を見たり、撮影時期の異なる2枚の写真を、同じ位置から見て比較したりすることもできます。

クラウドにアップされた現場のデジタルツインをスマートフォンで見たところ。撮影した場所と向きも自動的に図面上に表示される

クラウドにアップされた現場のデジタルツインをスマートフォンで見たところ。撮影した場所と向きも自動的に図面上に表示される

過去に基礎を施工した時の現場写真もすぐに見られる

過去に基礎を施工した時の現場写真もすぐに見られる

同じ画角で撮影した“ビフォー・アフター”の写真を比較したところ

同じ画角で撮影した“ビフォー・アフター”の写真を比較したところ

リビングディーは、すべての現場に動画をクラウドにアップロードするカメラスタンドを設置し、大々的に遠隔施工管理を導入しました。

その結果、現場監督に移動時間のムダを、

最大60%も削減

できました。

遠隔確認によって、現場を確認する回数が増えたため、ミスやトラブルを未然に防げるようになり、施工品質が向上したほか、壁や天井などに隠れた隠ぺい部も時系列で写真記録が残せるため、急な設計変更への対応力も上がったそうです。

「zenshot」のシステム全体イメージ

「zenshot」のシステム全体イメージ

現場に設置したカメラスタンド。撮影した動画は自動的にアップロードされる

現場に設置したカメラスタンド。撮影した動画は自動的にアップロードされる

現場で働く大工さんに、動画の撮影やクラウドへのアップロードを頼むためには、これまでスマホの使い方やアップロードの方法などを理解してもらうことが必要で、簡単に使えない場合もありました。

その点、「zenshot」は現場に通信回線内蔵の専用カメラスタンドを装置し、コンセントにさすだけでだれでも簡単に使えます。

大工さんへの説明もわずか30秒で終わり、高齢者もアプリが音声案内をしてくれるので、それを聞きながら撮影できるとのことです。

建設業の残業規制が強化される「2024年問題」を解決策としても、このように手軽に使える遠隔管理システムは有望な手段になりそうですね。

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