竹中工務店らが騒音・振動計をクラウド化した「DECIBERY」を開発! レベルの超過予測をアラート
2024年3月19日

管理人のイエイリです。

騒音・振動規制法が適用される市街地の工事現場では、敷地境界部の仮囲いに騒音計や振動計を設置し、その計測値をモニターに表示している風景をよく見かけます。

ただ、その騒音・振動のデータは、その場、その瞬間での活用にとどまっていることがほとんどでした。

そこで竹中工務店アトムシステム(本社:神奈川県藤沢市)、キッズウェイ(本社:愛知県瀬戸市)は、建設現場で使われる騒音・振動計をデジタルデータとして計測し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

クラウドに送信

してリアルタイム共有するシステム「DECIBERY(デシベリー)」を共同開発したのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら

騒音・振動計をクラウド化したシステム「DECIBERY」の全体図(資料:竹中工務店)

騒音・振動計をクラウド化したシステム「DECIBERY」の全体図(資料:竹中工務店)

「DECIBERY」は、アナログ式と同程度の精度を備えた安価なデジタルセンサーと、多機能なIoT(モノのインターネット)機器で構成され、通信機能を備えています。

騒音マイクや振動センサーで、騒音レベルや振動レベルをデシベル値で算定し、IoT通信デバイスにデータを送信・保存します。同時に、LTE通信を介してインターネット上のクラウドにもデータを送信します。

クラウドで受信したデータは、リアルタイムに現場に設置したモニターや事務所内のパソコンなどに表示します。

そのため、現場の職員がデータ回収のために騒音・振動計を巡回する必要がなくなり、どこからでもリアルタイムに計測値の確認やデータのダウンロード、帳票作成などが行えます。

そして、優れているのは、騒音・振動レベルの変化から傾向を予測し、設定した値以上の騒音・振動の発生が予測された場合には、

重機オペにアラート送信

する機能も付いていることです。

「DECIBERY」の特長

  • 市販のIoT通信デバイスにより無線ネットワークを構築、半径20mの通信圏内であれば最大8カ所まで同時計測が可能
  • 新開発のデジタルセンサーは従来のアナログ機器と同等の計測精度を確保
  • クラウド上に保存されたデータの閲覧・保存、帳票の自動作成など、遠隔地でも管理業務の遂行が可能
  • 騒音・振動レベルが超過する傾向を予測する機能を搭載
  • 気象などの環境センサーやカメラなどの各種デバイスと組み合わせて、現場内の環境全般のモニタリングが可能
  • APIを介してデジタルサイネージなどの他システムと連動可能

工事現場の様々なデータがデジタルツインとして集約される方向に進んでいますが、いよいよ騒音や振動のデータもクラウドで一元管理され、活用も自動化されそうですね。現場の環境管理も高度化しそうです。

このDECIBERYは、竹中工務店とアトムシステムが共同開発し、キッズウェイが生産と在庫管理、レンタル展開を担当します。レンタルは2024年5月から開始するとのことです。

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