MatterportのVRで内装見積もり! 野原グループの「BuildApp」で“図面レス面積計算”が可能に
2024年3月21日

管理人のイエイリです。

建物のリフォーム工事で大きなウエートを占めるのが、壁や床、天井、開口部などの内装工事です。

その見積もりは、現場でメジャーテープなどを使って各部の寸法を測り、野帳などにメモして事務所に持ち帰り、図面を起こして算出する、という流れが一般的でした。

建物の内装工事のイメージ。壁や床、開口部などの数量は、各部の寸法を現場でこまごまと計測し、図面を描いて算出する必要があった(以下の写真、資料:野原グループ)

建物の内装工事のイメージ。壁や床、開口部などの数量は、各部の寸法を現場でこまごまと計測し、図面を描いて算出する必要があった(以下の写真、資料:野原グループ)

確実に受注できるか分からない段階で、こうした手間ひまのかかる作業が多く発生すると、4月から建設業に適用される時間外労働の上限規制、いわゆる「2024年問題」解決を阻害する要因になりますね。

そこで野原グループ(本社:東京都新宿区)は、同社が運営するBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)プラットフォーム「BuildApp」に、内装工事の概算見積もり業務を効率化できる新機能を追加しました。

図面がない建物でも、現場を3D計測できる「Matterport」や3Dスキャナーなどのデータがあれば、

ナ、ナ、ナ、ナント、

VR空間上で面積計測

が行えるのです。(野原グループのプレスリリースはこちら

VR空間上で面積計測を行いたい壁や床などの領域を線で囲むと、左側の一覧表にその部分の面積が表示されていく

VR空間上で面積計測を行いたい壁や床などの領域を線で囲むと、左側の一覧表にその部分の面積が表示されていく

この「面積分析機能」は、BuildAppの施工管理向けサービス「Stages(ステージーズ)」に追加されたもので、2024年3月14日に始まりました。

Matterportや3Dスキャナーなどで作った現場のVR(バーチャルリアリティー)空間上で、面積計測をしたい部分を線で囲むだけで瞬時に面積を算出します。

計測した各部の面積は、領域ごとに色分けやカテゴリー化を行うことができ、一覧表の形で表示されます。

各部の面積は、合算や引き算ができるので、「壁の面積から開口部だけを引いて壁紙の面積を出す」、といった使い方もできます。

VR空間上で面積計測を行いたい壁や床などの領域を線で囲むと、左側の一覧表にその部分の面積が表示されていく

VR空間上で面積計測を行いたい壁や床などの領域を線で囲むと、左側の一覧表にその部分の面積が表示されていく

この機能を使うと、営業担当者が現場を下見に行ったついでにMatterportなどでスキャンしてくれば、見積もり担当者は、

現場に行かず

に遠隔見積もりが可能になるのです。

VR上で線を引く作業は、メジャーテープを使わずに済み、スピーディーに行えます。

この面積分析機能の登場によって、「現場に行かない」「メジャーテープを使わない」と、面倒で時間がかかる作業をやめることができるので、確実に時短につながりそうですね。

BuildAppの施工管理向けサービスStagesは、2023年12月にスタートしました。(野原グループのプレスリリースはこちら

面積分析機能以外に、施工履歴を時系列のVRでわかりやすく管理する機能や、図面やBIM、点群と現場のVRを重ねて比較する機能、デジタルツイン内でメモを残し遠隔指示するコミュニケーション機能などがあります。

Stagesによる施工管理イメージ。施工状況をデジタルツインで時系列に並べ、施工管理を遠隔化できる

Stagesによる施工管理イメージ。施工状況をデジタルツインで時系列に並べ、施工管理を遠隔化できる

また、BuildAppは設計から製造、流通、施工管理、維持管理までの建設フェーズ全体をBIMで一元管理することを目指しており、その全体像とStagesの位置づけは下の図の通りです。

BuildAppの全体イメージと、Stagesの位置付け(青枠内)

BuildAppの全体イメージと、Stagesの位置付け(青枠内)

BuildAppのコンセプトは、BIMをベースにしながら、それ以外の業務やワークフローも含めて建設プロセス全体をデジタルで一元管理することにあります。

建設プロセス全体を見直すことで、非効率な作業や不要になる仕事をどんどんやめることができます。その分、大幅な生産性向上や働き方改革が期待できそうですね。

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