GLOOBE 2014発売!日本発のBIMがそろそろ本領発揮へ
2013年6月5日

管理人のイエイリです。

日本の“BIM元年”と言われる2009年11月に、福井コンピュータアーキテクト(当時は福井コンピュータ)から「日本発のBIM建築システム」として発売されたのが「GLOOBE」です。

当時、意匠設計用BIMソフトは外国製ばかりのなか、日本の設計手法や建築基準法への対応、「疎」から「密」へと進む設計業務の流れに合わせて、日本の建築業務で使いやすいように開発されました。

それから約3年半、GLOOBEは国内開発の強みを生かして、ユーザーから寄せられる改善要望に対してきめ細かく対応しながら、着実に進化してきました。そして2013年6月18日、最新版の「GLOOBE 2014」(PDF)が発売されることになりました。

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GLOOBE 2014の画面(資料・写真:福井コンピュータアーキテクト。いか同じ)

今回のバージョンアップでは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

概算金額を即座に確認

 

できる「概算積算機能」が盛り込まれたのです。

設計中の建物モデルから各部材の数量を自動算出し、表計算ソフト「Excel」に書き出すという機能です。Excel上で単価を設定すれば、概算金額を簡単に算出できます。

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新搭載された「概算積算機能」のイメージ

このほか、壁を移動したり、天井や床などの高さを変えたりすると、建具や仕上げ材、家具などが連動する「追従機能」が強化されました。

また、“P-style” for GLOOBEと呼ばれる機能が大幅に拡張され、平面図や立面図を水彩画風や鉛筆画風などにワンタッチで加工できるようになりました。

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床や天井の高さを変えると家具や建具などが連動して動く「追従機能」の動作例

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強化された“P-style” for GLOOBE機能。平面図などを水彩画風、鉛筆画風にワンタッチで加工できる

クラウドサーバーとの連携機能「ARCHI Box」も強化されました。GLOOBEで作成した建物の計画モデルをダイレクトにクラウド上にアップし、iPad用の無料アプリ「ieKuru」(3Dモデルビューワー)や「iePon」(AR:拡張現実感を利用したプレゼンアプリ)で施主へのプレゼンやデータ共有が行えます。

さらに、図面をJw_cad用のJWWファイルやDWG/DXFファイルとして書き出す時に、レイヤーや線種、線幅を自由に割り当てられるようになり、使い慣れた2次元CADとの並行運用や協力会社とのデータ連携もスムーズに行えます。

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iPadでのプレゼンする「ARCHI Box」連携機能の強化(左)。2次元CADとのきめ細かいデータ連携機能の強化(右)

今回のバージョンアップの内容は、一見、地味なものが多い感じですが、GLOOBEのユーザーから寄せられた改善要望に一つ一つ、着実に対応していった福井コンピュータアーキテクトの足跡が感じられます。

GLOOBEはそろそろ、

 

日本発BIMの本領発揮

 

を始めたと言ってもよさそうです。その理由は、次のようなユーザーの意見を、あるところで聞いたからです。

「最初のころは他のBIMソフトに比べて動作が遅かったが、昨年のバージョンアップでサクサク動くようになった」、「日本仕様の図面が描きやすい」、「J-BIM施工図CADと連携することで施工図の作成にもつなげられる」、「積算ソフトとの連携でも設定項目が少なくてすむ」といった具合です。また、あるゼネコンでは積算用のBIMソフトとしてGLOOBEを使うことに決めたそうです。

福井コンピュータアーキテクトは、GLOOBEを軸に他の国産ベンダーが開発・販売する建設業向けソフトとの連携を行う「J-BIM連携」にも力を入れています。こうした地道な取り組みはユーザーからも評価されており、今後、日本発のBIMは大きくブレークするかもしれません。期待したいですね。

ちなみに価格はGLOOBE 2014本体が52万5000円、オプションプログラムの法規チェックが31万5000円、実施設計が21万円、“P-style” for GLOOBEが15万7500円、PDF取込アシストが10万5000円、そして「ARCHI Box」基本使用料が月額4200円です。

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