管理人のイエイリです。
台風26号の豪雨で、伊豆大島では土石流による大きな被害が発生し、現在も行方不明者の捜索が続いています。今回の災害で亡くなられた皆様のご冥福をお祈りします。
今後の雨に備えるための一助になればと、エンジニアの井上修さんが伊豆大島の3Dマップをウェブサイトで公開しました。国土地理院のホームページで公開されている被災後の航空写真と、伊豆大島の数値地図を重ねて作ったものです。
ウェブサイトで公開された伊豆大島の3Dマップ(資料:井上修氏。以下同じ) |
この3Dマップの作成に使ったのは、
CIMソフト
の「Infraworks」なのです。
CIMとは、道路や鉄道、堤防などの土木構造物を3Dモデルで設計・施工する「コンストラクション・インフォメーション・モデリング」の略で、「Infraworks」は数十km四方の地域にまたがる鉄道全線などを3Dでモデル化するためのソフトです。
井上さんはこのソフトに数値地図を読み込んで地形や建物の形を再現し、地表面上に被災後の航空写真を張り付ける方法で、3Dマップを完成させました。
土砂が崩壊した山肌を見上げたところ |
砂防ダム付近の地形 |
土石流が流れ下った斜面を横から見たところ |
建物が密集している部分の傾斜 |
山頂から見下ろしたところ |
この3Dマップは、被災状況と3D地形を合体させて作られているので、
様々な視点や角度
に切り替えて見ることで、地形の傾斜と斜面の崩壊、土石流の流れた跡の関係がよく分かります。
ご覧になりたい方は、パソコンはこちら、iPadはこちらでご覧ください。パソコンの場合はブラウザーに「Google Chrome」を使うか、Internet Explorerの場合は「Google Chrome Frame」をインストールすることが必要です。また、iPadの場合はApple StoreからAutodesk InfraWorks 360 アプリケーション(無償)をインストールしてください。
また、モデルがどんなものなのかをざっと見たい方は、YouTubeに動画が公開されていますので、ご覧ください。
YouTubeで公開されている動画 |
ちなみに、今回の3Dマップは商用利用はできませんが、防災や復旧、復興などの目的には使えます。
井上さんはフェースブック上で「動画は自由に転載して結構です。また防災上必要なデータがあればご連絡いただければこちらでできる限りアップデートしますのでご連絡ください」と語り、CIMの分野から防災活動に協力しています。
インターネットやSNSの普及で、技術者一人ひとりが防災などに貢献できるようになったのは、素晴らしいことですね。