管理人のイエイリです。
西松建設は山岳トンネル工事で、現場の地山性状を精度よく、スピーディーに評価するために、ドリルジャンボを利用した切羽前方探査システム「DRISS(Drilling Survey System)」や、地山性状を3Dで表示する「DRISS-3D」を開発していました。(詳しくは、2017年6月19日付けの当ブログ記事を参照)
そして同社は、ジオマシンエンジニアリング(本社:東京都荒川区)と共同で、さらにパワーアップしたシステム「DRISS-3D_Monitor」を開発しました。
ドリルジャンボで切羽などをせん孔したとき、
ナ、ナ、ナ、ナント、
直後に運転席モニター
で、地山性状の3Dモデルを表示できるようにしたのです。(西松建設のプレスリリースはこちら)
切羽の状態を目視しながら、地山の定量的データが同時に確認できると、作業員の経験や感覚をデータで補強できるので、オペレーターも安心して掘削できますね。
今回、開発した「DRISS-3D_Monitor」は、発破用の装薬孔やロックボルト孔などをせん孔したデータを、ドリルジャンボに搭載した制御ボックスで即座に処理し、運転席の「地山性状表示モニター」に岩盤強度やせん孔エネルギーを、10秒ごとに更新して表示するものです。
ドリルジャンボから取得するデータは、削岩機の油圧、せん孔の速度や角度、掘削断面の位置などです。
従来の「DRISS-3D」は、現場で取得したデータを、事務所などのパソコンで処理する必要があったので、3Dデータ化に時間がかかっていました。
その点、今回の新システムは、リアルタイムに切羽性状を把握して、施工にフィードバックすることができ、掘削方法や支保工のパターン、補助工法の要否などの判断を迅速に行えます。
さらに、
解析人員も削減
できるというメリットもあります。
西松建設は、これらのシステムの現場適用や改良を進め、せん孔データを活用した地山の自動評価において、業界をリードし続けたい考えです。
また、トンネル掘削全般の自動化や無人化施工技術「Tunnel RemOS」の構築も進めており、トンネル掘削作業の完全無人化の早期実現を目指しています。
土木工事の中でも、山岳トンネルの掘削は、特に「KKD」(経験・勘・度胸)がモノを言う世界でしたが、土木技術の進化により、だんだん「データドリブン」の世界に変わってきました。まさに建設DXの方向に進んでいるようです。