管理人のイエイリです。
BIMソフトとクラウドシステムを使って、遠隔地間で設計のコラボレーションを行うのはもはや簡単になりました。
ところがチャットやインターネット電話、BIMモデルの画面共有を行っても、実際の会議室ほどのリアリティーがイマイチないようです。
そこで、米国ワシントン大学の博士課程学生、アン・アンダーソン(Anne Anderson)さんが提案しているのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
アバターを会議室に集合
させ、実際の会議室をリアルに再現してコラボを進める方法です。
これは6月23日~25日、米国フロリダ州オーランドで開催された建設ITの国際会議「ICCCBE 2014」で、アンダーソンさんが発表したものです。
実際のオフィスを模して、システムに接続している社員が「在席」かどうかがわかる在宅勤務システムもありますが、イマイチ、リアル感がありません。
そこで、実際の会議のように、自分の分身となるアバターを会議室テーブルに着席させ、身ぶり手ぶりを交えながら設計中のBIMモデルをリアルタイムに共有して、建物などの設計検討を進めていこうと提案しています。
アンダーソンさんはcyberGRIDの「Unity」というバーチャルリアリティーシステムを使い、他大学と毎週1回の会議を10週間行いました。その結果、一般の在宅勤務システムに比べて時間当たりの“発見”が多かったそうです。
また、会議室に集まるほか、設計中の建物の周りに集まって議論することも可能です。
会議に使われる建物のモデルなどは、Revitで作成し、それをUnityに読み込みました。
これらの画像を見て、数年前にインターネットでブレークしたあの3DチックなSNSを思い出した人もいるのでしょう。
そう、あの
セカンドライフにそっくり
なのです。
セカンドライフはバーチャルな世界が広すぎたため、過疎ってしまい、コミュニケーションを取る肝心の相手がなかなか見つからないという状況になりました。
その点、アンダーソンさんは「1つの限られた空間にアバターを集めるところが、セカンドライフとの大きな違い」と説明しています。セカンドライフも狭い範囲に限定して使う仕組みになっていれば、今ごろは遠隔地間コラボレーションの必需品になっていたかもしれませんね。