管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のソフトでは、既存の建物を3Dレーザースキャナーで計測した「点群データ」を読み込めるものが増えてきました。
ただ、建築業界で幅広く普及している「ArchiCAD」には、まだ点群を読み込める機能がありません。
そこで、リビングCGは、点群データからArchiCADのBIMモデルを手軽に作れるツール「BIMmTool」を発売しました。
その作業方法ですが、点群データ自体をArchiCADに取り込むのではなく、別画面に表示された
ナ、ナ、ナ、ナント、
点群データをクリック
していくだけで、壁や床、窓などをArchiCAD上にスイスイとモデリングしていくことができるのです。
このツールは、ArchiCAD用のプラグインである「ArchiCAD専用変換ソフト」と、点群データを表示する「Point 4 BIMm」からなります。
まずはArchiCADとPoint 4 BIMmを両方立ち上げて、X軸の方向や原点の位置、壁の高さ、壁のデフォルト厚さなどを設定します。
準備ができた後は、点群データ上で壁の上を2点ずつクリックしていくと、ArchiCAD上に壁が断片的に作られていきます。
この操作を繰り返して、建物の周囲を囲む壁がひととおりできたら、壁の断面全部を選択し、ArchiCADの「連結ツール」を使って壁を伸ばしてコーナーを作ります。
壁の厚さが違う部分などは、個別に修正していきます。このとき、点群データは自由自在に拡大・縮小、移動ができますので、細かく選択することができるほか、数値入力でピッタリした厚さにすることも可能です。
その後は、開口部の入力ですが、メニューから開口部の種類を選び、点群上で開口部の対角点を2点ずつクリックしていくだけでOKです。
このほか、屋外から測定した点群データを使うと、屋根などを入力できます。
対応する3DレーザースキャナーはFAROやZ-F、ライカ、トプコンの点群ファイルに対応しているほか、測量データの表示ソフトに「TotalStation
4 BIMm」を使うと、
各社のトータルステーション
にも対応しています。
このほか、50m程度の距離を測量できる簡易的なレーザー測量機「Flexijet」にも対応できるという幅広さを持っています。
これまで、ArchiCADと測量データの連携性はあまり感じられませんでしたが、この製品の登場で現場とArchiCADの距離がぐんと縮まりましたね。建物のリフォームやリニューアル工事などに便利に使えそうです。
ちなみに気になるお値段は、BIMmTool(Point 4 BIMm付き)で65万円(税別)/1ライセンスとのことです。また、同社では3Dレーザースキャナーの計測やデータ作成などの作業も受託しています。
なお、この製品は9月2日に東京、9月5日に大阪で開催される「ArchiCAD18製品発表会」に出展されますので、ご興味のある方は確かめてみてくださいね。