管理人のイエイリです。
10月15日の当ブログの記事で、グーグル発の独立ベンチャー企業、FLUX社(flux.io)が法規制をクリアして建築可能な3D鳥かごをクリック1発で作成するクラウドシステム、「Flux Metro」を公表したことをお伝えしました。
FLUX社はこのシステムのほかに、“ウルトラBIM”とも言うべき、画期的なクラウドシステムを開発しています。
ナ、ナ、ナ、ナント、
“BIMの種”
のようなデータをパソコン上にまいてスタンダードな建物の3Dモデルを作り、高さ制限や敷地の形、大きさなどに合わせて変形していくことで、意匠、構造、設備が自動的に配置された建物の3Dモデルが作ることを目指しているのです。
複数の棟からなる建物は、各棟の位置を動かしたり、長さを変えたりすると、渡り廊下などが自動的に調整されます。高さを変えると自動的に階や部屋も増えます。
自由自在に変形して、かつ細部は整合性が保たれるとは、まるで一粒の種から樹木が育っていく課程のようです。
樹木は成長するにつれて幹や小枝から、葉っぱ一枚一枚の葉脈の配置までが自動的に調整されるますが、“BIMの種”から生まれた建物の3Dモデルも、細部まで自動的に配置されていくイメージです。
そして、画面の左右には、現在の床面積や建築コスト、駐車場の必要台数などがリアルタイムに表示され、設計条件をクリアしているかどうかを常に確かめられます。
気になるのは、“BIMの種”がどの程度のLOD(Level of Development:設計の詳細度)を持っているかということです。
そこで、FLUX社のプロダクトマネジャー、クリス・ラロサ(Christopher LaRosa)氏に聞いてみたところ、開発中なので
LODなどの詳細は未定
との返答でした。
先日、お伝えした3D鳥かごをクリック1つで作成するシステムと、この“ウルトラBIM”を合わせて使うと、ほんの数時間で何百戸もの部屋を持った集合住宅やオフィスビルを設計できるようになるかもしれません。
そして、建築設計者の仕事は、1つひとつ、建物を設計することから、売れ筋の“BIMの種”を開発することに変わり、建物オーナーはクルマを選ぶ感覚で「A設計事務所のF-1タイプのビル」というように“BIMの種”を選んで敷地に合わせてもらうようなビジネスに変わって行くかもしれません。
さすがグーグルの関係会社、FLUX社は建設業界のビジネスモデルを今後、大きく変えていく可能性があります。