管理人のイエイリです。
キヤノンITソリューションズは、クルマや建物などを臨場感あふれる3D映像で立体視できるVR(仮想現実感)やAR(拡張現実感)を統合したMR(複合現実感)システム「MREAL」を展開しています。
10月14日にこのシステムをさらに使いやすくする3本のソフトが発売されました。そのうち、MREALに11種類の3Dデータを読み込むようにできる「MREAL Visualizer 2.0」を使うと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
IFC形式も読み込める
のです。
IFC形式とは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の3Dモデルデータを交換する標準フォーマットです。
このソフトにより、BIM/CIMと本格的なMRシステムの距離が縮まりましたね。
また、3Dソフトウエアと「MREAL」を連動させる「MREAL Direct Viewer 1.0」というソフトも発売されました。3Dソフトで編集作業を行うと、その結果がリアルタイムに「MREAL」に反映され、立体視しながら確認できます。
こうなると、設計者の仕事はバーチャルな3Dモデルを扱っているという感覚ではなく、リアルなスケールでこれから作られるモノを変形させたり、塗装したりという感じになりそうですね。
また、3D空間などの様々なシステム環境を簡単に設定できるようにした「MREAL Platform MP-120」を使うと、CGと現実の物体の奥行きを判定し、前後関係を正しく表示できます。
これまでは現実の空間にある家具などの物体と、3Dモデルの前後関係が相違することもありました。こうした問題も、このソフトに追加された「オブジェクトマスキング機能」によって解決することができます。
MREALは室内だけでなく、屋外に設置されるモノの検討にも使われています。
例えば、
JR山手線のホームドア
を設置する際に、車掌の位置から安全確認できるかどうかなどを確かめるのにも使ったそうです。
BIM/CIMソフトを使って建物や土木構造物の完成形をモニター画面で見るだけでも、かなりリアルですが、MRだとさらに実物の大きさや実際に使われる際の細かい問題も実感としてわかります。
設計に使用者感覚を「フロントローディング」(業務の前倒し)するのに、MRの出番はますます増えていきそうですね。