GISで場所特定!ESRIが阪神・淡路大震災の写真マップ公開
2015年1月23日

管理人のイエイリです。

1995年に発生した阪神・淡路大震災から早くも20年がたちました。被災した神戸の町は見違えるように復興し、当時の面影はほとんど残っていません。

そんななか、震災の記憶を風化させまいとGIS(地理情報システム)ソフトの国内最大手、ESRIジャパンは、同社のウェブサイト上に「阪神・淡路大震災の記録」というデジタル写真マップを公開しました。

ESRIジャパンが公開した「阪神・淡路大震災の記録」(以下の資料:ESRIジャパン)

ESRIジャパンが公開した「阪神・淡路大震災の記録」(以下の資料:ESRIジャパン)

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

当時の写真を現在の地図

 

上にプロットし、被災写真がどの場所で撮られたのかが一目瞭然(りょうぜん)なのです。

震災翌日に撮影された鷹取商店街の火災現場。左の地図上の「8」が撮影地点

震災翌日に撮影された鷹取商店街の火災現場。左の地図上の「8」が撮影地点

この写真マップはGISの画面の下に被災写真のサムネールが並んで表示されています。例えば、震災翌日の1995年1月18に撮影された鷹取商店街の火災現場写真をクリックすると、画面の右側に大きな写真が表示され、同時にGISの地図上にある撮影地点のアイコンが大きくなります。

そして、写真をクリックするとさらに大きな写真が現れ、画像データとして保存することも可能です。

脇塚町5丁目「昭和筋商店街」の被災状況。Windowsパソコンの場合、写真上で右クリックすると画像が保存できる

脇塚町5丁目「昭和筋商店街」の被災状況。Windowsパソコンの場合、写真上で右クリックすると画像が保存できる

この写真マップは次の4種類が作られています。

「鉄道・駅、道路、みなと」編より。鷹取駅構内で脱線した車両

「鉄道・駅、道路、みなと」編より。鷹取駅構内で脱線した車両

「復旧・復興」編より。震災1年後の1996年1月15日に撮影された三ノ宮駅前で工事中のそごう●

今回の写真マップが実現できたのは、震災の記録写真を

 

オープンデータとして提供

 

するWEBサイト「阪神・淡路大震災『1.17の記録』」が神戸市により公開されたことです。

WEBサイト「阪神・淡路大震災『1.17の記録』」(資料:神戸市)

WEBサイト「阪神・淡路大震災『1.17の記録』」(資料:神戸市)

このサイトでは被災直後や復興中の神戸市周辺を撮影した写真が1000枚近くクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで最も緩やかな「BY」(クレジットを表示することで複製、再配布、改変などができる)で公開されています。

写真をダウンロードすると、撮影日や撮影場所などのデータも付属してきます。

ただ、地図上にプロットできるほど詳細な場所まではわかりませんので、ESRIジャパンは今回の写真マップを作成するに当たり、画像情報をもとに街区レベルまで特定したそうです。

被災地は時間とともに場所が街の風景が変わります。被災の状況から復興に至るまでの場所と時間を写真で記録しておくことは、震災対策を考える上での貴重な資料になりますね。

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