管理人のイエイリです。
歴史的建物や文化財を保存する方法として、最近は3Dモデルや点群データなどで記録して残す「デジタルアーカイブ」という方法も用いられるようになってきました。
明治4年(1871年)創業の鴻池組(本社:大阪市中央区)も、このほど、この流れに乗って国登録有形文化財の建物のデジタルアーカイブを完成させました。
その建物とは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
鴻池組旧本店
なのです。(鴻池組のプレスリリースはこちら)
鴻池組旧本店の建物は、洋館、和館とも明治43年(1910年)に造られました。どちらも現存する建物ですが、貴重な文化財や鴻池組の歴史をデジタルアーカイブ化することで、一般の人も気軽にバーチャル訪問できるようになったのです。
現在、旧本店の外観や洋館2階応接室と、同社技術研究所大阪テクノセンター内にある鴻池組企業ミュージアムの「ヒストリーラボ」の歴史展示エリアなどが、iOS版アプリとAndroid版アプリで公開されています。
開発は、鴻池組社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)ワーキンググループが、メタバース技術に関する基本調査を2022年に開始することから始まりました。
また2024年4月からファンタスティックモーション(本社:栃木県宇都宮市)とともに、本格的な開発に着手。そしてこのほど、アプリが一般公開されました
上のキャプチャー画像をよく見ると、小人のようなキャラクターが写っています。名前は「こうちゃん」というもので、社員の原案で生まれたもので、案内人を務めてくれます。
また、この仮想空間は単に訪れるだけでなく、多くの人が集まってコミュニケーションを図ったり、会議を行ったりできる
メタバース空間
としても機能するのです。
メタバース機能は、初めはiOSデバイスやAndroidデバイスに対応し、将来的にはヘッドマウントディスプレイに対応する予定とのことです。
様々な現場で起こっていることを解決するために、一般の会議室に閉じこもって話をするだけでは、なかなかいいアイデアは浮かんできませんが、メタバース空間で再現された現場にみんなで移動して議論すると頭脳が刺激されてイノベーションが生まれそうですね。