Revitは難しくない!公式ガイド本著者の伊藤久晴氏が10年のノウハウを公開
2015年3月19日

管理人のイエイリです。

大和ハウス工業の伊藤久晴さんは昨年12月、代表的なBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトとして知られるオートデスクの「Revit」の自習書として、「Autodesk Revit公式トレーニングガイド」を日経BP社から出版しました。

「Autodesk Revit公式トレーニングガイド」を手にする伊藤久晴氏(写真:家入龍太)

「Autodesk Revit公式トレーニングガイド」を手にする伊藤久晴氏(写真:家入龍太)

伊藤さんがRevitを使い始めたのは約10年も前のことです。

以来、2007年には「Revitユーザー会(RUG)」の初代会長に就任し、2008年には日経BP社が企画した「BIMブートキャンプ2008」の校長(司令長官)を務めたほか、大和ハウス工業ではRevitの社内講習や現場での活用など、豊富なRevitの指導経験を持っています。

この本は、Revitを初めて使う人から、ある程度使いこなした人までが参考になるようにと、伊藤さんが10年間にわたって蓄積してきたRevitの活用ノウハウが惜しげなく盛り込まれているのです。

例えば、あるページを見て驚いたのは、これまでに見たこともないBIMパーツ(ファミリ)でした。

あるページに掲載されている珍しいファミリ(以下の写真:「Autodesk Revit公式トレーニングガイド」より)

あるページに掲載されている珍しいファミリ(以下の写真:「Autodesk Revit公式トレーニングガイド」より)

BIMパーツと言えば、立体感のある3Dモデルを想像しますが、このファミリは

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

図面を効率的に描く

 

ために、便器の平面図、正面図、側面図をそれぞれの面に合わせて張り付けた“簡易ファミリ”だったのです。

確かに、図面を描くためにRevitを活用するのであれば、無理に時間をかけて3Dでファミリを作る必要はありませんね。

建物のBIMモデル内に配置された便器の“簡易ファミリ”

建物のBIMモデル内に配置された便器の“簡易ファミリ”

このほか、機能豊富なRevitで初心者が陥りやすいのは、レンダリング時に使う「透過度」などの設定です。

カーテンウオールに、少しくもりのあるガラスを使いたい場合に、材質(マテリアル)に「ガラス」を選んでしまうと「透過度」は設定できないからです。そんな場合は「一般」という材質を選んで透過度を設定します。

このように、Revitでは材質ごとに設定できる属性情報があったりなかったりするので、わかりやすい一覧表が掲載されています。

マテリアルごとに設定できる属性情報をまとめた一覧表。ガラスには透過度は設定できないことがわかる

マテリアルごとに設定できる属性情報をまとめた一覧表。ガラスには透過度は設定できないことがわかる

このほか、設計効率を上げるために大和ハウス工業の社内業務で培ったショートカットキーの名前やキーボード配列も紹介されています。この設定ファイルは付録CD-ROMに収録されているので誰でもそのノウハウを活用できます。

大和ハウス工業の実務で実績のあるショートカットキーのキーボード配列も惜しみなく公開

大和ハウス工業の実務で実績のあるショートカットキーのキーボード配列も惜しみなく公開

Revitは、豊富な機能を備えているため中には「使いこなすのが難しい」と感じる人もいるようです。そこで先日、伊藤さんにこのことを聞いたところ、返ってきたのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

「Revitは難しくない」

 

という自信満々な答えだったのです。

BIMと言えば、建物すべてを3Dモデル化しなければいけないと思っている人も多いですが、建物内部の階段やサッシの詳細図などは2D図面を張り付けた方が作図効率が上がります。Revitはこうした使い方が行いやすくなっています。

「2DかBIMか、という二者択一ではなく、2DからBIMへスロープでつなぐような本を目指した」と伊藤さんは語ります。Revitは難しいのでは、と思っている方、ぜひ、この本で攻略してみてくださいね。

Autodesk Revit公式トレーニングガイド
 20150319-image7 著者:伊藤久晴出版社:日経BP社判型:B5ページ数:300ページ

価格: 本体4,000円+税

ISBN:978-4-8222-9756-5

発行日:2014年12月8日

CD-ROM:あり

購入は全国の有名書店またはネットショップで。日経BP社ブックス&テキスト online紀伊國屋書店amazon.co.jp楽天ブックス ほか。

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