管理人のイエイリです。
3Dレーザースキャナー関連の技術や製品が一堂に集まる展示会・セミナーイベント「SPARJ2015」が今年も6月3日~4日、川崎市産業振興会館で開催されました。
年々、出展社や参加者が増えているこのイベントは、今年で11回目を迎え、展示ブースは39まで増えました。
そのため、展示会場が1フロアだけではとうとう収まらなくなり、2つの階に分けて展示が行われるほどでした。
展示会場はとうとう2つの階に。4階の第1展示場(左)と9階の第2展示場(以下の写真:家入龍太) |
展示会場では、3Dレーザースキャナーや点群処理ソフトのほか、UAV(無人機)や写真計測技術を使った製品も多く展示されていました。
まず、筆者の目に飛び込んできたのは、オーピーティーのブースに展示されていた3Dレーザースキャナー「X300」です。
バッテリーを含めて7kgという軽量タイプですが、その価格は
ナ、ナ、ナ、ナント、
398万円(税別)
という、これまでの常識を打ち破った安さなのです。
イタリアのSTONEX社製です。低価格ですが300m先まで計測でき、精度は300m先で40mmです。スマートフォンでも起動できる手軽さが魅力です。
オーピーティーのブースに展示されていた低価格3Dレーザースキャナー「X300」。値札には398万円の衝撃的な価格が |
第2展示会場では、UAV関連の新製品が目立ちました。
例えばルーチェサーチのブースでは、昨年9月に首相官邸会議室で安倍晋三総理の前でデモ飛行を行った無人ヘリ「SPIDER」に、レーザースキャナーを搭載したものが展示されていました。
今年度、この機体を使ったプロジェクトが予定されているようです。
また、ヤマハ発動機のブースにも、農薬散布などで使う大型の無人ヘリ用に開発された新型レーザースキャナーが展示されていました。
写真測量関連で面白かったのはアルゴのブースに展示されていた全方位ステレオカメラです。360万画素のデジタルカメラ10大を5方向、2段に搭載したものでリアルタイムに周囲を立体計測できます。
アルゴのブースに展示されていた全方位ステレオカメラ(左)と、リアルタイムで3D計測された映像(右) |
日本インターグラフのブースでは、点群データをプラントや工場などの運用や維持管理に使うためのデータベースシステム「SmartPlant Fusion」という製品を展示していました。
データベースに図面や設計図書を読み込ませるだけで、機器番号を手かがりに自動的にデータ同士を情報をひも付けし、さらに
点群データ上にもリンク
できるというものです。
日本インターグラフのブースに展示されていた「SmartPlant Fusion」。プラントのP&IP図(左)の機器をクリックすると、機器の点群データ(右)に瞬時に移動する |
このほか、感じたのは3Dレーザースキャナーや写真計測で作成した点群データの美しさです。まるで立体写真と言っても過言ではありませんでした。
3D計測技術は、現実の世界をデータ化し、コンピューターで処理するためのツールとして、低価格、高品質、コンパクト化が進み、さらにUAVや車両とも連動してますます機動力が高まっています。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)との連携による建設業の生産性向上にも拍車がかかりそうですね。