管理人のイエイリです。
山岳トンネルや大深度トンネルは、地表から地山の状態を事前に調査するのが難しいため、掘削中にどんな不良地山が出現するのかがわかりません。
そこで、大成建設は掘削中の山岳トンネルで、「切羽(きりは)」と呼ばれる掘削最前面の前方にある地山の状況をビジュアル化するシステムを開発しました。
強度が弱く、崩れやすい不良地山が予測された場合、想定される位置を表示し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
警告まで発してくれる
システムなのです。
切羽前方の地山を予測するもとになっているのは、切羽近くのトンネル掘削面の天端(てんば:てっぺんのこと)の微妙な傾きです。
大成建設が開発したトンネル天端傾斜計「TT-Monitor」を切羽近くの天端に5m間隔で設置し、傾きのデータを集めます。
このデータを同社の切羽前方地山予測手法によって解析し、地山予測グラフを自動作成するとともに、地山の特性をビジュアルな画像と数値データを1つの画面上に表示します。
「TT-Monitor」の傾斜計には、直径4.5cm、長さ60cmの高感度タイプを使用し、掘削後のトンネル周囲を補強するロックボルトと同径の穴に差し込んで固定できるようになっています。そのため、設置の手間はほとんどかかりません。
計測データは
Bluetoothでタブレット端末
に送信し、さらに計測ソフトに転送します。
そのため、センサーの配線工事は不要です。使用後のTT-Monitorは回収して再利用します。
山岳トンネルの現場最前線でも情報化が進んできましたね。大成建設はこの技術を国土交通省の新技術提供システム「NETIS」に登録する準備を行っています。
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