音声認識で効率2倍!声で入力する仕上げ検査システムが登場
2015年12月4日

管理人のイエイリです。

建物の仕上げ検査は、担当者が各部屋を何度もまわり、図面通りに施工されているかを確認して不具合個所を図面上の位置とともにメモや写真で記録します。

さらに、事務所に戻ってから協力会社ごとに修正指示をまとめてFAXします。

これまでは、これらの作業を紙ベースで行っていたため、膨大な手間ひまがかかっていました。

紙ベースで行っていた手がき検査表の例(以下の資料:アドバンスト・メディア)

紙ベースで行っていた手がき検査表の例(以下の資料:アドバンスト・メディア)

そこで音声認識システムを展開するアドバンスト・メディアは、タブレット端末に

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

音声で入力する

 

ボイス検査ソリューション「AmiVoice スーパーインスペクター 建築仕上げ検査用」を開発したのです。

音声で入力する「AmiVoice スーパーインスペクター 建築仕上げ検査用」の使用シーン

音声で入力する「AmiVoice スーパーインスペクター 建築仕上げ検査用」の使用シーン

タブレット端末に表示された図面上で不具合個所の位置をタップし、マイクに向かって「リビング天井、クロス傷」といった具合に不具合の内容や協力会社名を声に出して言います。

するとタブレット端末がその音声をテキストに変換し、表形式の検査表にどんどん入力していってくれるというわけです。不具合個所の写真もひも付けて記録できます。

音声認識中のタブレット端末

音声認識中のタブレット端末

テキストに変換され、表形式の検査表に入力

テキストに変換され、表形式の検査表に入力

検査表に入力された不具合個所は、順番に連続番号が振られ、図面上にその番号が表示されます。手がきの検査表と同じ形式でデジタルデータとして記録されるというわけです。

修正指示のPDFファイルの内容

修正指示のPDFファイルの内容

データ入力が終わったら、タブレット端末からクラウド上のサーバーに送ります。すると不具合個所が専門工事会社別のPDFファイルにまとめられ、協力会社別のフォルダーに整理されます。

あとは、各社にこのPDFを添付してメール送信すれば修正指示が完了、というわけです。

協力会社ごとのフォルダーに修正指示のPDFファイルが自動的に作成され整理される

協力会社ごとのフォルダーに修正指示のPDFファイルが自動的に作成され整理される

不具合個所の番号が図面上にも記録される

不具合個所の番号が図面上にも記録される

タブレット端末には図面や点検に必要な資料、帳票をインプットでき、されにカメラ機能もあるので仕上げ検査時の荷物が大幅に減ります。

同社は中部地方の70戸の新築マンション現場で、このシステムの効果を検証しました。導入前の紙ベースでは、検査員2人が1日当たり4戸を検査し、協力会社ごとにFAXをするまで朝9時から夜10時までかかっていました。

ところが、導入後は

 

1日当たり2倍の4戸

 

が検査でき、修正指示をメール送信するまでの作業を夕方の5時までに終わらせることができたとのことです。

70戸のマンション新築工事でのシステム導入効果

70戸のマンション新築工事でのシステム導入効果

人件費抑制効果は135万円で、6000枚のコピー代も削減できたそうです。

「AmiVoice スーパーインスペクター 建築仕上げ検査用」は2016年1月下旬にAndroid版が発売され、同年の春にはiOS版も発売される予定です。

気になるお値段ですが、端末1台当たりの月額使用料が9800円(2年以上の契約が必要。ヘルプデスク対応、サーバー容量100GB・5万枚、専用ドメイン、SSL証明込み)です。また、買取型の場合は、初期費用15万8000円と月額使用料2980円となっています。

これまで実務では、あまり音声入力は使われてきませんでしたが、これからは音声で生産性向上を実現するシステムがどんどん登場してきそうですね。

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