100m2を48時間で!本物のホテルを巨大3Dプリンターで建設
2016年3月14日

管理人のイエイリです。

アンドレー・ルーデンコ(Andrey Rudenko)さんと言えば、巨大3Dプリンターで住宅サイズのお城を作った人として有名です。

アンドレー・ルーデンコ氏が巨大3Dプリンターで建てたお城(以下の写真、資料:Andrey Rudenko)

アンドレー・ルーデンコ氏が巨大3Dプリンターで建てたお城(以下の写真、資料:Andrey Rudenko)

その彼が、昨年秋、さらに実用的な建物を巨大3Dプリンターで建設することに成功しました。

その建物とは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

フィリピンのホテル

 

なのです。

巨大3Dプリンターで建設したフィリピンのホテル

巨大3Dプリンターで建設したフィリピンのホテル

造形用の3Dモデル

造形用の3Dモデル

造形中の巨大3Dプリンターのヘッド

造形中の巨大3Dプリンターのヘッド

この建物は、マニラ郊外にあるルイス・グランド・ホテル(Lewis Grand Hotel)の別館として建てられたものです。

SketchUpのような3Dソフトで建物の躯体をデザインし、それをCNC(コンピューター数値制御)用の「Gコード」と呼ばれるデータに変換して、巨大3Dプリンターで外壁と内部の壁、柱、バスタブなどを一気に造形しました。

巨大3Dプリンターは、「3Dコンクリートプリンター」と呼ばれるタイプのもので、適度な固さで配合された生コンクリート状の材料を数センチずつの厚さで積み重ねるように造形する仕組みです。

模型用の3Dプリンターで開口部などを作るときには、空間となる部分に仮の「サポート材」を入れ、その上を本体用の材料で造形していきます。この建物の場合は開口部の高さまで造形した後、木製の仮設の梁を架けてからさらにその上を造形していったようです。

造形中の内部

造形中の内部

開口部の上には木製の梁を仮に設置して、その上を造形していった模様

開口部の上には木製の梁を仮に設置して、その上を造形していった模様

また、配管や配線などは、従来工法と同じように設置していきました。

配管工事の様子

配管工事の様子

巨大3Dプリンターで造形した建物は、壁の側面に層状に筋が入ってしまうのが難点ですが、これも仕上げ材を上に施工することで普通の建物と変わらないようになりました。

造形後の柱

造形後の柱

仕上げ材を施工後の柱

仕上げ材を施工後の柱

造形後のバスタブ

造形後のバスタブ

仕上げ材施工後のバスタブ

仕上げ材施工後のバスタブ

この建物の床面積は100m2とのことですが、造形にかかった時間は

 

わずか48時間

 

だったそうです。

48時間で建物を設計するBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)コンペもありますが、今や躯体自体がその時間スケールでできてしまう時代なんですね。

この建物を施工したときの動画(3D Concrete Printing. Hurricane, Tornado Resistant Houses)がYouTubeで公開されていますので、ご興味のある方はご覧ください。

(Visited 17 times, 1 visits today)

Translate »