管理人のイエイリです。
少子高齢化社会に突入した日本の建設業が、今後、成長していくためには、海外市場への進出が欠かせません。
そこで日本工営は、3月3日の取締役会で、英国のBDPホールディング・リミテッド社(本社:英国 マンチェスター。以下、BDP社)を買収(PDFリリース)し、完全子会社化することを決議しました。
買収総額は約1億220万ポンド(約163億5000万円)です。BDP社の取締役会もこの買収について全会一致で賛同しており、友好的な買収となります。
BDP社を選んだ背景には、いろいろな要因がありますが、買収の大きな動機になったのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BDP社のBIM活用力
だったのです。
BDP社は売り上げ規模が英国で第2位の建築設計事務所で、意匠、構造、設備を統合した事業展開を中心に行っています。
環境を重視した住居・事務所・商業施設の一体開発への参画を目標とし、歴史的建造物や鉄道駅舎の改修、景観設計、教育・医療施設の計画や設計には定評があります。
その売り物はズバリ、BIM活用力です。英国だけでなく全欧州で最先端を走っており、技術スタッフの約7割がBIMソフトを使えるスキルを持っています。
英国では2016年までに、公共・民間の建築設計に「BIM Level 2」の活用が義務づけられていますが、BDP社は英国で初めて「BIM Level
2」活用技術の人称を受けています。
日本工営でのBIM活用は始まったばかりですが、今後、BDP社の人材やBIM技術を共有することで、技術的競争力を獲得していきます。
日本工営グループは、東京オリンピック翌年の2021年6月期に売上高1400億円、営業利益率10%を目標とする長期経営戦略を立てており、BDP社の買収により同期の売上高は1000億円を超えることになります。
現在、日本工営の売上高は、約3分の1が海外市場によるものですが、
2021年6月期は約半分
まで海外比率を高める計画です。
いよいよ、日本の建設業も本格的な海外市場への展開が始まったようです。その武器がBIMというのは、時代の流れを感じますね。