動機はBIM活用力!日本工営が英設計事務所、BDP社を買収
2016年3月9日

管理人のイエイリです。

少子高齢化社会に突入した日本の建設業が、今後、成長していくためには、海外市場への進出が欠かせません。

そこで日本工営は、3月3日の取締役会で、英国のBDPホールディング・リミテッド社(本社:英国 マンチェスター。以下、BDP社)を買収(PDFリリース)し、完全子会社化することを決議しました。

買収総額は約1億220万ポンド(約163億5000万円)です。BDP社の取締役会もこの買収について全会一致で賛同しており、友好的な買収となります。

BDP社を選んだ背景には、いろいろな要因がありますが、買収の大きな動機になったのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BDP社のBIM活用力

 

だったのです。

英国・BDP社のウェブサイト(資料:BDP Holdings Limited)

英国・BDP社のウェブサイト(資料:BDP Holdings Limited)

日本工営のウェブサイト(資料:日本工営)

日本工営のウェブサイト(資料:日本工営)

BDP社は売り上げ規模が英国で第2位の建築設計事務所で、意匠、構造、設備を統合した事業展開を中心に行っています。

環境を重視した住居・事務所・商業施設の一体開発への参画を目標とし、歴史的建造物や鉄道駅舎の改修、景観設計、教育・医療施設の計画や設計には定評があります。

その売り物はズバリ、BIM活用力です。英国だけでなく全欧州で最先端を走っており、技術スタッフの約7割がBIMソフトを使えるスキルを持っています。

英国では2016年までに、公共・民間の建築設計に「BIM Level 2」の活用が義務づけられていますが、BDP社は英国で初めて「BIM Level
2」活用技術の人称を受けています。

「BIM Level 2」の活用イメージ(資料:Strategy Paper for the Government Construction Client Group.From the BIM Industry Working Group – March 2011)

「BIM Level 2」の活用イメージ(資料:Strategy Paper for the Government Construction Client Group.From the BIM Industry Working Group – March 2011)

日本工営でのBIM活用は始まったばかりですが、今後、BDP社の人材やBIM技術を共有することで、技術的競争力を獲得していきます。

日本工営グループは、東京オリンピック翌年の2021年6月期に売上高1400億円、営業利益率10%を目標とする長期経営戦略を立てており、BDP社の買収により同期の売上高は1000億円を超えることになります。

現在、日本工営の売上高は、約3分の1が海外市場によるものですが、

 

2021年6月期は約半分

 

まで海外比率を高める計画です。

いよいよ、日本の建設業も本格的な海外市場への展開が始まったようです。その武器がBIMというのは、時代の流れを感じますね。

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