管理人のイエイリです。
スペイン・バルセロナで建設中のサグラダ・ファミリアで有名な巨匠アントニー・ガウディは、構造体の力学バランスを最適化するため「逆さ吊り実験」を行ったことで知られています。当ブログでも2014年8月18日付けの記事で紹介しました。
最近、この写真を貸してほしいと髪書房という美容界の専門出版社から依頼がありました。「美容業界とは、建設とはかなり畑違いだな?」と思っていたところ、掲載誌が送られてきました。
この写真が使われたのは、「月刊 BOB」という雑誌で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
逆さ吊り実験をヒント
にして開発された「ノンブローカット」技術の解説記事だったのです。
例えば「ワンレングス」の場合、従来はクシでテンションを真下にかけて床に対して平行になるようにカットします。ただこの場合、角ばった印象になり、後で丸く見せるためにドライヤーなどで調整が必要なります。そのため、自宅で再現することが難しい場合もあります。
一方、ノンブローカットとは、ガウディの逆さ吊り実験と同様に、頭を上下に反転させたときをイメージして髪をカットしていく、全く新しい考え方のカット方法です。
自然に髪が落ちる位置でまとまるので、調整もほとんどせずに済み、ドライヤーでラフに乾かしても自然にまとまります。そのため、自宅でもサロンに近い仕上がりが得られます。
今回の記事ではワンレングスの具体的なカット手順やドライの方法も説明されています。
これまでのヘアカットは、えり足、中間、表面の順番に切っていくことが多いそうです。
えり足で土台を作ってから髪を積み上げていくイメージは、建築の構造に似ているので、
建築に興味を持つ美容師さん
は、意外に多いそうです。
そのうち、美容界にもBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)にようなデジタル技術にカット法が導入されるかもしれませんね。
「月刊 BOB」では8月号まで「ノンブローカット」の連載を組むそうです。この雑誌の流通経路は特殊ですので、一般書店ではなかなか手に入りませんが、読んでみたい方はアマゾンや髪書房のウェブサイトで購入できますよ。