管理人のイエイリです。
配管の分岐部に使われるT時間や、構造の接続部などに使われる鋳物を作るとき、欠かせないのが鋳型です。
これまで鋳型を作るためには鋳物と同じ形をした木型を作る必要がありました。それを砂に押し込んで型をとり、鋳型を作ってきました。
この方法だと、鋳型を作るためには木型を作るという二度手間が発生します。
そこで、太平洋セメントは北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 工業試験場の協力を得て、
ナ、ナ、ナ、ナント、
鋳型を3Dプリンターで直接造形
することに成功したのです。
上の写真がこの方法で作った鋳型と鋳物です。木型を作らなくても済むため、鋳物作りが効率的に行えますね。
この技術を開発するのに、大きな課題となったのは、3Dプリンターでの造形に使うための粉末材料です。
鋳型は、1600℃にも及ぶ高温の鉄を流し込むため、高温にさらされてガスが発生してしまうと鋳鉄が型の中に十分行き渡らず、鋳物の表面に「ブローホール」という欠陥が発生してしまいます。
そこで太平洋セメントは、同社が得意とするセメントなど無機材料の設計・製造技術を活用し、新たな視点で成分や構成を検討した結果、3Dプリンターで鋳型を造形できる
画期的な無機粉末
の開発に成功したのです。
3Dプリンターで鋳型を作れると、自由な形状やデザインの鋳物が簡単に作れそうですね。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)との親和性も高そうです。
この研究成果は、9月23日~26日に高知市で開催される日本鋳造工学会全国講演大会で発表されますので、気になる方は参加してみてはいかがでしょうか。
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