塩分量を見える化!トプコンと前田建設がコンクリ診断システムを開発
2016年7月8日

管理人のイエイリです。コンクリート構造物の塩害調査はこれまで、コア抜きした試料から塩化物イオン量を測定する方法が一般的でした。

この方法だと構造物にダメージを与えてしまうだけでなく、分析に多くの時間と費用が必要です。

そのため、橋梁の場合、1つの橋脚で数カ所のサンプリング調査しかできず、構造物全体を調査するのが難しいのが現状でした。

そこで、トプコン(本社:東京都板橋区)と前田建設工業(本社:東京都千代田区)は、コンクリート表面の塩分量を、非破壊・非接触で検査できる「コンクリート劣化診断システム」を開発しました。

「コンクリート劣化診断システム」の測定装置(以下の写真、資料:トプコン、前田建設工業)

「コンクリート劣化診断システム」の測定装置(以下の写真、資料:トプコン、前田建設工業)

その方法とは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

近赤外線で塩分量を見える化

 

するという画期的な技術なのです。

近赤外線を利用した「コンクリート劣化診断システム」を使った現場測定

近赤外線を利用した「コンクリート劣化診断システム」を使った現場測定

コンクリート表面塩分量のマッピング例。塩分の分布状態が一目瞭然だ

コンクリート表面塩分量のマッピング例。塩分の分布状態が一目瞭然だ

このシステムの原理ですが、コンクリート表面に光を当て、その反射光に含まれる近赤外線領域の分光スペクトルから、表面塩分量を推定します。

非破壊・非接触で簡単に広範囲のコンクリート表面塩分量の分布を見える化することができるので、塩分の高い部分がひと目でわかります。

普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートだけでなく、高炉B種セメントやフライアッシュB種セメントを用いたコンクリートも測定可能です。

このシステムによって、

 

塩分量の濃い場所

 

を効率的に探すことができるので、インフラ構造物の長寿命化を効率的に行うことができます。

このシステムは、本日(7月8日)まで福岡で開催中のコンクリート工学年次大会2016の会場で展示されています。

あらためてインフラ管理での「見える化」の重要性を感じさせるシステムですね。

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