解析結果をCIMモデルに変換!フジタがAutoCAD用プログラムを独自開発
2016年7月7日

管理人のイエイリです。

これまでは土木構造物の応力解析などの結果と、構造物の設計・施工に使うCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)モデルは別物でした。

そのため、施工中に問題が起こりやすそうな部分は、解析結果とCIMモデルを付き合わせて場所を特定するという手間ひまのかかる作業が必要でした。

大和ハウスグループのフジタ(本社:東京都渋谷区)は、有限要素法(FEM解析)などの3次元数値解析モデルをCIMモデルに自動変換するプログラムを独自に開発しました。

その結果、現場の実測データを、解析による予測結果や管理基準値と

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

CIMモデルでリアルタイムに

 

比較できるようになったのです。

ロックボルトに作用する応力状態をCIMモデル化した例(以下の資料:フジタ)

ロックボルトに作用する応力状態をCIMモデル化した例(以下の資料:フジタ)

吹き付けコンクリートの応力分布をCIMモデル上で表現した例

吹き付けコンクリートの応力分布をCIMモデル上で表現した例

CIMモデル上に危険個所や周辺環境への影響が視覚的にわかりやすく表現されるため、安全管理上の効果も期待できますね。

今回、開発したプログラムは、数値解析ソフトで作成した解析モデルを、AutoCAD用のCIMモデルデータに変換するものです。

同社東北支店の田老トンネル作業所(発注者:国土交通省東北地方整備局)で、情報化施工としての試験運用を行っています。

田老トンネル作業所では2本のトンネルを施工しています。うち、田老第2トンネル(全長674m)ではトンネル中央の低土かぶり区間でSSRTというトンネル切り羽前方探査技術で推定した未掘削部分の地質試験結果をCIMモデルに取り込み、地質を見える化しています。

トンネル切り羽前方の地質を推定する「SSRTトンネル浅層反射法」のイメージ図

トンネル切り羽前方の地質を推定する「SSRTトンネル浅層反射法」のイメージ図

地質の推定結果をCIMモデル化したもの

地質の推定結果をCIMモデル化したもの

田老第1トンネル(全長455m)では、トンネル内部の変位の収束判定を行うため、事前解析結果と実際の計測結果を比較するための打ち合わせ資料としてCIMモデルを使っています

このプログラムは、FEM解析以外にも、コンクリート構造物の温度応力解析や、ダムの盛り立て管理など、様々な数値解析モデルを

 

簡単にCIMモデル化

 

できるので汎用性が高いのも特徴です。

コンクリート打設による橋脚各部の温度分布をCIMモデル化したもの

コンクリート打設による橋脚各部の温度分布をCIMモデル化したもの

材料別にダム堤体の盛り立て過程を解析した結果をCIMモデル化した例。計測機器の配置や品質管理結果を表示できる

材料別にダム堤体の盛り立て過程を解析した結果をCIMモデル化した例。計測機器の配置や品質管理結果を表示できる

これまでは、まずCIMモデルを作ってからその形状や属性情報をもとに解析を行うという考え方が多かったかもしれません。

これからは逆に、様々な解析を行ったときのデータからCIMモデルを作るという方法も増えて粋そうですね。

(Visited 2 times, 1 visits today)

Translate »