管理人のイエイリです。
ベントレー・システムズは、MicroStationなど同社のソフトユーザーを対象に「BE INPIRED AWARDS」を毎年、開催し、建築や土木、まちづくりなどの優秀プロジェクトを選出し、表彰しています。
今年は、17分野で「イノベーション(革新)」をテーマに審査が行われますが、このほど、決勝に残った各分野の3プロジェクトが発表されました。
建築分野のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)や、土木分野のCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)では、実物の構造物や現場を3D計測し、3Dのモデルを作る「リアリティー・モデリング」の技術が注目されています。
今回、この分野をテーマとした「Innovation in Reality Modeling」の決勝に残ったプロジェクトは、CH2M社(英国)、ヘルシンキ市(フィンランド)とともに、
ナ、ナ、ナ、ナント、
早稲田大学と大林組のペア
が堂々、残ったのです。
早稲田大学の嘉納研究室と大林組は、3Dレーザースキャナーと写真計測を使って、工事の進ちょく状況を自動的に把握するシステムを開発しました。
現場の計測データをベントレー・システムズの「ContextCapture」というソフトで処理して点群化したデータと、MicroStationで作成した建造物の3Dモデルを比較することにより、現場で建て込みが完了した
部材を自動的に把握する
というものです。
工事の進ちょく状況がほぼリアルタイムで把握できるので、生産性の評価や工程の遅れなどの発見にもつながります。進ちょく管理が自動化できるとともに、精度も高くなりそうですね。
早稲田大学創造理工学部 建築学科の嘉納成男教授は、建造物をそのままデータ化する「情物一致}という概念を以前から提唱してきました。それを英訳したものが今回のテーマの「リアリティー・モデリング」そのものと言えるでしょう。
競争相手のCH2M社は英国の高速道路改良プロジェクト、ヘルシンキ市はヘルシンキの3Dモデル化プロジェクトがテーマです。
「BE INPIRED AWARDS」の最終審査は今年11月1日~3日に、ロンドンで開催される「The Year in Infrastructure Conference」の中で行われます。世界中の強豪チームがひしめくこのアワードで、早大・大林ペアの健闘を祈ります。