管理人のイエイリです。
かつて橋梁工場には、体育館のように広い部屋があり、その床に橋桁の図面を実物大で描く「原寸作業」が行われていました。
こうしたアナログな仕事は、今ではほとんどCADにとって代わられましたが、実物大で描くと完成時のスケール感などがよくわかりますね。
大きな部屋はないけど、実物大で図面を見ながら設計や施工を行いたいという人に、ぴったりの製品が登場しました。
インフォマティクスが今年の夏に発売する建築分野向けAR/VRシステム「GyroEye Holo(ジャイロアイ ホロ)」(仮称)です。
大きな部屋の代わりに使うのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
Microsoft HoloLens
というホログラフィックコンピューターなのです。
一方、Microsoft HoloLensはバーチャルリアリティー(VR)でよく使われるヘッドマウントディスプレーと似ていますが、Windows10で動くCPUを搭載しており、れっきとしたコンピューターである点が違います。
周りの壁や床を認識し、その現実空間に実寸の図面を広げたような感覚で見られます。
使い道としては、建築工事の墨出しや完成チェック、保守メンテナンスなどが考えられています。
現場で実物と原寸大の図面を重ねて見られると、大きさが違ったり、位置がずれていたりすると、一発で発見できそうですね。
工事現場と設計室との間で、図面データを共有するために、クラウド型のコンテンツマネジメントシステム「Gyro CMS」(仮称)も同時に発売されます。
現在は、2次元CAD図面をDXF形式で取り込んでの利用することを想定していますが、今後は
3次元データの取り込み
も予定しているとのことです。
鉄筋の3Dモデルを現場と重ねて見られると、配筋のミスやスリープの入れ忘れなどが一発で発見できるかもしれません。
このような製品が発売されると、現場で手軽にARを活用できそうですね。