管理人のイエイリです。
2017年7月19日~21日の間、東京ビッグサイトで「第9回インフラ検査・維持管理展」が開催されます。会場では17日から、展示ブースの施工作業が始まりました。
インフォマティクスのブースでも、朝9時から作業が始まりましたが、ブースの造作を担う職人さんたちのスタイルはかなり変わったものでした。
施工に先立って、
ナ、ナ、ナ、ナント、
Microsoft HoloLens
を着用したのです。
HoloLensとは、現場の風景にCAD図面などを重ねて表示することができるAR(拡張現実)デバイスです。
インフォマティクスは、6月21日~23日、この会場で開催された「第25回 3D&バーチャル リアリティ展」で、HoloLensによる内装工事にチャレンジしました。
今回はその前段階となるブースの造作作業をHoloLens上に示されるCAD図面だけで施工することにチャレンジしようというのです。CAD図面を表示するソフトは、インフォマティクスが開発中の「GyroEye Holo」(2017年8月発売予定)を使いました。
ブースの角には「原点」となるマークが張ってあり、これで位置合わせをすることにより、CAD図面と現場のXYZ座標がピッタリ重なります。
午前9時25分、作業が始まりました。まずはブースの右からパネルを立て込んでいきます。モニターを通して、職人さんのHoloLensに表示される画面を見ると、目の前にはパネルの縁がCADの線として見えていることがわかります。
ブースは右から左へと施工が進んでいきます。するとパネルができた部分から、早速、クロスの張り付け作業が始まりました。果たして、これまでのところ、ブースは図面通りにできているのでしょうか。
別の担当者がHoloLensをかけて、やや離れたところから現場をチェックします。
パネルの設置作業は、多角形の壁の部分になりました。壁が22.5度ずつ曲がっているので、通常の作業なら図面と電卓で縦横の座標を出し、メジャーで現場に墨出しを行うところです。
しかし、この現場ではHoloLensを着けた職人さんが、全く何も描かれていない床をHoloLensで見ながら、パネルの位置合わせをしていました。
現場では墨出しを行うことなく、ブースの作業は順調に進み、
約1時間後には造作完了
し、その後30分ほどクロス張り作業も終わりました。
作業の途中、メジャーで寸法を測っている場面も数回ありました。CAD図面に寸法線が描かれていない部分などは、念のためメジャーで確認していたそうです。HoloLensだけでの施工には、工程を考えて図面も工夫する必要がありそうですね。
HoloLensでの施工を担当した職人さんの感想をインタビューしてみました。藤井義彦さんは「脚立の上でパネルを固定してするとき、パネルの下の位置が合っているかどうかを、常にHoloLensで確認できるので安心です」とのことです。
作業中にCAD図面の座標のずれが大きくなってきたときも、脚立の上から原点マークを見れば修正できたそうです。
また、府川裕介さんからは「細かい木ねじをドライバーで締めるとき、CAD図面の線と重なって見えにくいときもあった」と、作業者ならではのコメントをいただきました。
「第9回インフラ検査・維持管理展」で、インフォマティクスのブース番号は「2D-10」です。会期中はHoloLensを使って埋設管を見るなどのデモンストレーションも行うそうですので、ご興味のある方はどうぞ!