管理人のイエイリです。
2016年度から国土交通省は「i-Construction」施策を始め、様々な現場でドローン(無人機)による現場測量や、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)ソフトによる3次元施工図作成、そしてICT建機やGPS機器による施工が行われました。
同年度に完成した同省直轄のi-Construction対応工事のうち、優れた取り組みを表彰する平成29年度「i-Construction大賞」の受賞者がこのほど発表され、12団体が受賞することが明らかになりましたました。(国土交通省のプレスリリースはこちら)
このうち最優秀の「国土交通大臣賞」は2社が選ばれ、
ナ、ナ、ナ、ナント、
砂子組とカナツ技建工業
が受賞したのです。
砂子組(本社:北海道奈井江町)は、千歳市で施工した「道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事」で受賞しました。
本社に「ICT施工推進室」を設置し、ICT土工の準備や現場への乗り込みサポート、3次元データのチェックや修正などを行い、現場職員の負担を軽減しました。
また、全国で第1号のICT土工活用工事として、30回、約700人を対象に見学会や取材対応を積極的に行い、ICT土工の有用性を広めたことが評価されました。
一方、カナツ技建工業(本社:島根県松江市)は、出雲市で施工した「多伎朝山道路小田地区改良第12工事」で受賞しました。
同社は、元請けとして自社で3D施工データの作成や活用を主体的に行い、地元の測量・建設会社や測量機器会社、ソフトメーカーでプロジェクトチームを設置し、地域のICT活用の普及に寄与したことが評価されました。
また、現場の見学会や若手・女性技術者向けの講習会を開催するなど、ICT人材の育成に積極的に取り組み、ICTによる現場の魅力アップに貢献しました。
このほか、10団体が「優秀賞」を受賞しました。
それぞれ、評価されたポイントは違いますが、システムの改良提案や、さらなる高精度の追求、工期短縮、安全性向上に加えて、i-Constructionの有効性やメリットなどをうまく生かした
ベストプラクティス
としての情報公開や情報発信を積極的に行った現場が多いようでした。
また、大手建設会社よりも、地元の建設会社の頑張りにスポットを当てて評価したことで、中小の建設会社もi-Constructionに取り組めることを示したと言えるでしょう。授賞式は後日、開催される予定です。
今後の「i-Construction大賞」は、国交省の直轄工事だけでなく、地方自治体や民間企業の取り組みも表彰の対象にするそうです。
これまで、各企業で情報化施工やCIMなどICT関連の業務を担当してきた技術者は“下積み”の時期が長かった人も少なくありませんでした。国交省のi-Construction大賞によって、長年の苦労が報われる人も多そうですね。