砂子組、カナツ技建が大臣賞に!初のi-Con大賞で12団体が受賞
2017年12月18日

管理人のイエイリです。

2016年度から国土交通省は「i-Construction」施策を始め、様々な現場でドローン(無人機)による現場測量や、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)ソフトによる3次元施工図作成、そしてICT建機やGPS機器による施工が行われました。

同年度に完成した同省直轄のi-Construction対応工事のうち、優れた取り組みを表彰する平成29年度「i-Construction大賞」の受賞者がこのほど発表され、12団体が受賞することが明らかになりましたました。(国土交通省のプレスリリースはこちら

このうち最優秀の「国土交通大臣賞」は2社が選ばれ、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

砂子組とカナツ技建工業

 

が受賞したのです。

砂子組(本社:北海道奈井江町)は、千歳市で施工した「道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事」で受賞しました。

本社に「ICT施工推進室」を設置し、ICT土工の準備や現場への乗り込みサポート、3次元データのチェックや修正などを行い、現場職員の負担を軽減しました。

また、全国で第1号のICT土工活用工事として、30回、約700人を対象に見学会や取材対応を積極的に行い、ICT土工の有用性を広めたことが評価されました。

砂子組本社に置かれた「ICT施工推進室」。ICT土工現場をサポートした(以下の写真、資料:国土交通省のプレスリリースより)

砂子組本社に置かれた「ICT施工推進室」。ICT土工現場をサポートした(以下の写真、資料:国土交通省のプレスリリースより)

マシンコントロールバックホーによる盛り土法面整形作業

マシンコントロールバックホーによる盛り土法面整形作業

全国初めてのICT土工活用工事として、30回にわたる見学会や取材対応が行われた

全国初めてのICT土工活用工事として、30回にわたる見学会や取材対応が行われた

一方、カナツ技建工業(本社:島根県松江市)は、出雲市で施工した「多伎朝山道路小田地区改良第12工事」で受賞しました。

同社は、元請けとして自社で3D施工データの作成や活用を主体的に行い、地元の測量・建設会社や測量機器会社、ソフトメーカーでプロジェクトチームを設置し、地域のICT活用の普及に寄与したことが評価されました。

また、現場の見学会や若手・女性技術者向けの講習会を開催するなど、ICT人材の育成に積極的に取り組み、ICTによる現場の魅力アップに貢献しました。

元請け自らが作成した3次元設計データ

元請け自らが作成した3次元設計データ

地元企業などで結成したプロジェクトチーム「i-Con etc(アイコン エトセトラ)隊」

地元企業などで結成したプロジェクトチーム「i-Con etc(アイコン エトセトラ)隊」

女性技術者向け講習会も実施

女性技術者向け講習会も実施

このほか、10団体が「優秀賞」を受賞しました。

「優秀賞」を受賞した10団体と工事名
小山建設(北上川上流曲田地区築堤盛土工事) 20171218-image07
金杉建設(H27荒川西区川越線下流下築堤工事) 20171218-image08
会津土建(宮古弱小堤防対策工事) 20171218-image09
新井組(平成27年中部縦貫丹生川西部地区道路建設工事) 20171218-image10
中林建設(第二阪和国道大谷地区道路整備工事) 20171218-image11
五洋・井森JV(徳山下松港新南陽地区航路(-12m)浚渫工事) 20171218-image12
福井組(H27-28 川島漏水対策工事) 20171218-image13
若築・あおみJV(須崎港湾口地区防波堤築造工事) 20171218-image14
野添土木(長谷川4号床固工・右岸導流堤工事) 20171218-image15
丸政工務店(平成28年度恩納南BP1工区改良(その13)工事) 20171218-image16

それぞれ、評価されたポイントは違いますが、システムの改良提案や、さらなる高精度の追求、工期短縮、安全性向上に加えて、i-Constructionの有効性やメリットなどをうまく生かした

 

ベストプラクティス

 

としての情報公開や情報発信を積極的に行った現場が多いようでした。

また、大手建設会社よりも、地元の建設会社の頑張りにスポットを当てて評価したことで、中小の建設会社もi-Constructionに取り組めることを示したと言えるでしょう。授賞式は後日、開催される予定です。

今後の「i-Construction大賞」は、国交省の直轄工事だけでなく、地方自治体や民間企業の取り組みも表彰の対象にするそうです。

これまで、各企業で情報化施工やCIMなどICT関連の業務を担当してきた技術者は“下積み”の時期が長かった人も少なくありませんでした。国交省のi-Construction大賞によって、長年の苦労が報われる人も多そうですね。

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