管理人のイエイリです。
高圧電線を支える送電鉄塔の腐食や劣化などの判定はこれまで、作業員による目視点検で行っていました。
しかし、人手不足の昨今、従来のように多くの点検作業員を確保することはだんだん難しくなりつつあります。
そこで東北電力とSRA東北(本社:仙台市青葉区)は、この問題を解決するため「腐食劣化度診断システム」を共同開発し、昨日(2019年11月28日)、電力業界として初めて運用を開始しました。
そのポイントとは、送電鉄塔の写真をスマートフォンやドローン(無人機)などで撮影した画像をもとに、鉄塔の腐食劣化度を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIが瞬時に判定
してくれることなのです。(東北電力のプレスリリースはこちら)
作業員の目視点検による判定では、個人差が出やすいという課題がありましたが、AI(人工知能)だとバラつきがなくなります。
また、画像の撮影時にGNSS(全地球測位システム)によって位置情報を自動取得し、鉄塔の位置や線路名などと判定結果をデータベースに送信し、各鉄塔の腐食劣化度を一元管理することができます。
これによって、送電線路全体の腐食傾向を「見える化」することができるようになりました。
このシステムができたことで、塗装や部材交換などの補修計画を作成するとき、優先順位づけがスピーディーに行えるようになりました。
これまでは社員5人が5時間ずつ、計25時間かかっていましたが、このシステムによって社員2人が2時間、計4時間で済むようになりました。
生産性は6倍以上
に向上したことになります。
先日も当ブログでは、清水建設らが鉄筋のガス圧接継ぎ手の目視検査をAI化する取り組みを行っていることを紹介しましたが、目視検査は今後、徐々にAI化されていく方向にあると言えそうです。