ドローンとAIで渓流調査!オリコンらが自然石の計測や分布記録を自動化
2020年3月13日

管理人のイエイリです。

大小様々な石(石礫(せきれき))がころがる自然の渓流も、砂防という観点から石の大きさを測るなどの調査が欠かせません。

ただ、相手が自然の石なので、石をバランスよく選んだり、計測したりという作業は、人力に頼っており、熟練も要します。そのため、迫り来る人手不足時代に、これまでの方法を続けていくのは難しくなってきました。

自然の石が転がる渓流のイメージ(以下の写真、資料:オリエンタルコンサルタンツ、スカイマティクス)

自然の石が転がる渓流のイメージ(以下の写真、資料:オリエンタルコンサルタンツ、スカイマティクス)

人力による計測作業のイメージ

人力による計測作業のイメージ

そこで、オリエンタルコンサルタンツ(本社:東京都渋谷区)とスカイマティクス(本社:東京都中央区)は、渓流調査を大幅に自動化するAI礫判読システム「グラッチェ」を共同開発し、2020年3月9日に一般提供を始めました。

ドローンから渓流を空撮した連続写真をクラウドにアップするだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIが石を自動的に発見

し、大きさを自動計測してくれるのです。(スカイマティクスのシステム紹介ページはこちら

まずはドローンで渓流を空撮する

まずはドローンで渓流を空撮する

渓流を空撮した写真をクラウドにアップする

渓流を空撮した写真をクラウドにアップする

するとAI(人工知能)石を自動的に発見し、大きさを自動計測する

するとAI(人工知能)石を自動的に発見し、大きさを自動計測する

様々な大きさの石の分布を自動抽出したもの

様々な大きさの石の分布を自動抽出したもの

渓流の「石礫調査」で手間がかかることの1つに、石の大きさの“粒径分布”を調べる作業があります。

石をランダムに選んで径を測り、小さい順から径と個数を積み上げてグラフを作るのですが、広範囲に散らばる石を1つ1つ測っていくのは大変な作業です。

この面倒な作業も、このシステムによって自動化することができます。

自動作成された粒度分布グラフ

自動作成された粒度分布グラフ

このほか、通常のドローン測量機能も備えており、

オルソ画像や点群データ

も自動的に作成してくれるのです。

自動作成されたオルソ画像(各部を垂直に見下ろした画像)

自動作成されたオルソ画像(各部を垂直に見下ろした画像)

3Dの点群データも自動作成してくれる

3Dの点群データも自動作成してくれる

点群データから作成した河川断面図

点群データから作成した河川断面図

このシステムによって、これまで現場作業で30時間、資料のとりまとめで10時間の計40時間かかっていた作業が、現場作業で10時間、資料のとりまとめで2時間の計12時間と、大幅に短縮されます。

気になるお値段ですが、基本契約が12万円(税別。クラウドストレージ200GB付き)で、従量課金プランとして石礫判読ありの場合が月額60万円(利用回数2回、1回の写真処理2000枚まで)となっています。

人間にしかできないと思われていた作業も、AIの発展によってだんだんと自動化できるようになってきましたね。

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