デジタルツインでビルを丸ごと制御!日建設計らが“常に最新”のクラウドを開発
2020年4月9日

管理人のイエイリです。

ビル管理のためのセンサーと言えば、温度や湿度、ガス、人間の存在など、様々な対象物を感知するものがあります。

これまでは空調や防犯などの目的別に、個別の監視・制御システムが設置されてきました。

しかし、最近は1台で温度や湿度、加速度、地磁気、カメラなど様々なものを計測し、ネットワークに接続できる「多用途センサー」というものが開発されてきました。

そこで日建設計協和エクシオWHERE(東京都千代田区)、オムロン神田通信機(本社:東京都千代田区)は、多用途センサーをビル全体に密に配置し、空調や照明から、防犯、防災、さらには日射遮蔽(しゃへい)、映像音響まで、ビル空間にかかわることを

ナ、ナ、ナ、ナント、

全体最適化

を図るシステムを共同開発したのです。(協和エクシオのプレスリリースはこちら

 

従来は用途ごとにセンサーを設置し、連携のないシステムが設置されてきた(左)が、今回は多用途センサーをネットでつなぎ、1つのセンサーで空調、照明、防犯などの全体最適化を図る(以下の資料:日建設計、協和エクシオ、WHERE、オムロン、神田通信機)

従来は用途ごとにセンサーを設置し、連携のないシステムが設置されてきた(左)が、今回は多用途センサーをネットでつなぎ、1つのセンサーで空調、照明、防犯などの全体最適化を図る(以下の資料:日建設計、協和エクシオ、WHERE、オムロン、神田通信機)

 

このシステムは、現実のモノや現象をデータで再現した「デジタルツイン」(デジタルの双子)と、相互に連携や接続ができる「オープンスタンダード」という2つのコンセプトにより、開発されました。

建物の内部に密に多用途センサーを設置して、様々なデータを収集・集約してクラウドプラットフォームにアップします。

クラウドには空調や照明、防犯などを制御するためのプログラムが稼働しており、データを分析し、その結果に基づいて設備を制御します。

多用途センサーで検知されたデータはクラウド上のデータサーバーに集約され、複数の設備の制御に使われる

多用途センサーで検知されたデータはクラウド上のデータサーバーに集約され、複数の設備の制御に使われる

現在、東京都内のあるオフィス(対象エリアは1000m2)に、多用途センサーとクラウドプラットフォームを導入し、照明制御の実証実験を行っています。

東京都内で行われている実証実験のイメージ。多用途センサーが密に設置されていることがわかる

東京都内で行われている実証実験のイメージ。多用途センサーが密に設置されていることがわかる

要素技術 企業名 共同開発における役割
①グラウトプラットフォームBluetoothセンサーネットワーク

Bluetoothタグ

協和エクシオWHERE Bluetoothを用いたmeshネットワークによるloTネットワークと位置測位およびデータの可視化や分析などのグラウトサービスの提供
②サーモパイル型人感センサー環境センサー オムロン 在不在・人数・放射温度、温湿度・照度・騒音・気圧などのセンサーからのデータの取得
③照明制御 神田通信機 オープンプロトコルかつ照明器具1台単位で明るさや点灯エリアの変更可能なDALI制御
④全体統合と建築・ワークプレイスへの適用 日建設計 要素技術の連携による全体統合の主導と建築・ワークプレイスにおける適用と普及の考案

これまでの制御システムは、設置した後は陳腐化する一方でしたが、今回のシステムはクラウドサーバー上で動くプログラムをバージョンアップしたり、新たな設備を追加したりと、

常に最新機能に更新

できるのが特長です。

人がいて、設備制御が行われている空間では、人や物の位置情報や利用状況、室内環境が定量データとして得られれば、オフィスや学校、病院、工場などの用途に応じて、きめ細かな制御が可能になります。

5社はワークプレイスの継続的な改善や、高精細でリアルタイムな制御を通じて、働き方改革や脱炭素社会の実現を目指していくとのことです。

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