管理人のイエイリです。
ビル管理のためのセンサーと言えば、温度や湿度、ガス、人間の存在など、様々な対象物を感知するものがあります。
これまでは空調や防犯などの目的別に、個別の監視・制御システムが設置されてきました。
しかし、最近は1台で温度や湿度、加速度、地磁気、カメラなど様々なものを計測し、ネットワークに接続できる「多用途センサー」というものが開発されてきました。
そこで日建設計と協和エクシオ、WHERE(東京都千代田区)、オムロン、神田通信機(本社:東京都千代田区)は、多用途センサーをビル全体に密に配置し、空調や照明から、防犯、防災、さらには日射遮蔽(しゃへい)、映像音響まで、ビル空間にかかわることを
ナ、ナ、ナ、ナント、
全体最適化
を図るシステムを共同開発したのです。(協和エクシオのプレスリリースはこちら)
このシステムは、現実のモノや現象をデータで再現した「デジタルツイン」(デジタルの双子)と、相互に連携や接続ができる「オープンスタンダード」という2つのコンセプトにより、開発されました。
建物の内部に密に多用途センサーを設置して、様々なデータを収集・集約してクラウドプラットフォームにアップします。
クラウドには空調や照明、防犯などを制御するためのプログラムが稼働しており、データを分析し、その結果に基づいて設備を制御します。
現在、東京都内のあるオフィス(対象エリアは1000m2)に、多用途センサーとクラウドプラットフォームを導入し、照明制御の実証実験を行っています。
要素技術 | 企業名 | 共同開発における役割 |
①グラウトプラットフォームBluetoothセンサーネットワーク
Bluetoothタグ |
協和エクシオWHERE | Bluetoothを用いたmeshネットワークによるloTネットワークと位置測位およびデータの可視化や分析などのグラウトサービスの提供 |
②サーモパイル型人感センサー環境センサー | オムロン | 在不在・人数・放射温度、温湿度・照度・騒音・気圧などのセンサーからのデータの取得 |
③照明制御 | 神田通信機 | オープンプロトコルかつ照明器具1台単位で明るさや点灯エリアの変更可能なDALI制御 |
④全体統合と建築・ワークプレイスへの適用 | 日建設計 | 要素技術の連携による全体統合の主導と建築・ワークプレイスにおける適用と普及の考案 |
これまでの制御システムは、設置した後は陳腐化する一方でしたが、今回のシステムはクラウドサーバー上で動くプログラムをバージョンアップしたり、新たな設備を追加したりと、
常に最新機能に更新
できるのが特長です。
人がいて、設備制御が行われている空間では、人や物の位置情報や利用状況、室内環境が定量データとして得られれば、オフィスや学校、病院、工場などの用途に応じて、きめ細かな制御が可能になります。
5社はワークプレイスの継続的な改善や、高精細でリアルタイムな制御を通じて、働き方改革や脱炭素社会の実現を目指していくとのことです。