高速道路で行われる床版の取り替え工事などでは、車線規制を行い交通を確保しながら施工を行います。
その際、現場には「規制管理者」が常駐し、現場の規制情報を把握し、管理します。
そのため、規制管理者は、バリケードを設置する担当者から規制の開始・終了時刻を聞かれたり、工事車両のドライバーからは現場の出入口の位置を聞かれたりと、問い合わせが集中し、大変、負荷がかかっていました。
こうした車線規制に関する課題を解決するため、鉄建建設とMODE(本社:米国カリフォルニア州、日本支店:東京都千代田区)は、規制時の現場出入口の位置や映像などの情報をリアルタイムにIoT(モノのインターネット)化し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
生成AIとチャットアプリ
によって自動回答するシステムを現場で試したのです。(鉄建建設のプレスリリースはこちら)
この実証実験には、規制の起点・終点や車両の出入口の位置を計測する位置センサーや、現場の交通状況を撮影するクラウドカメラに、データを一元管理するためのIoTプラットフォーム「BizStack」と生成AIで回答などを行う「BizStack Assistant」を活用しました。
その結果、車線規制に関する細かい情報がスマートフォンなどのチャットでわかるようになったため、バリケードの設置担当者や工事車両のドライバーなどから規制管理者への問い合わせ回数が大幅に減り、人的負荷が軽減されました。
また、外部サービスの渋滞情報に基づいて規制の判断が行えるようになり、担当者間の情報共有や発注者からの問い合わせ対応もスムーズになりました。
また、広範囲にわたる車線規制現場の状況把握も容易になりました。
これまでは移動時間を含めて1日60分くらいの時間がかかっていましたが、「BizStack Assistant」のチャット機能で地図上の規制位置やカメラ映像を呼び出すだけで、リアルタイム確認が可能になりました。
その結果、現場状況の確認時間も60分から3分程度へと、
60分から3分程度
へと、大幅に短縮されました。
このほか規制管理者には、毎日の規制履歴を道路管理者に報告する仕事もあります。
これまでは毎月の報告時に、車線規制開始・終了日時や起点、終点の位置などを手作業で集計・記録していたため100分程度の時間がかかっていましたが、「BizStack」に記録されたデータを出力するだけでよくなったので、作業時間はゼロになりました。さらに転記ミスがなくなり、正確性が向上しました。
車線規制の状況をIoT化し、生成AIによって情報を自動発信できるようにしたことで、規制担当者は回答や移動、集計の時間が大幅に節約できました。
また、それ以外の人たちが規制担当者に何回も電話をかけたり、待ったりする見えにくい時間も大幅に削減されたに違いありませんね。