管理人のイエイリです。
トイレをBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で設計するとなると、つい便器や手洗い器など衛生設備のBIMデータのことばかりが頭に浮かびがちです。
しかし、トイレ空間を構成する要素には、壁やドアなどもあり、これまでは衛生設備や内装材のBIMデータを手作業で組み合わせて設計していました。
この作業をもっと楽にできないかと考えたLIXILと、パーティションメーカーのコマニー(本社:石川県小松市)は、トイレ空間を
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMで一発設計
できるBIMデータを共同開発したのです。(コマニーのプレスリリースはこちら、LIXILのプレスリリースはこちら)
2020年11月2日より、両社のウェブサイト(コマニーはこちら、LIXILはこちら)で提供が始まったBIMデータはRevit用で、一般トイレ、乳幼児連れ対応トイレ、簡易型車いす対応トイレ、オストメイト対応トイレ、多機能トイレのそれぞれ左右タイプ、合計10種類からなります。
BIMデータはパラメトリックモデルになっており、壁の寸法や高さ、リモコンの取り付け位置、ドアの開閉などをパラメーターで簡単に変更できます。
また、マテリアルも実物の仕様に基づいて変更できるようになっています。
今回、共同開発したBIMデータは、「福祉のまちづくり条例」や、バリアフリー法の「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」などの基準を満たしていますので、
簡単に法規制に合致
した設計が行えます。
このBIMデータがあると、トイレの設計がはかどるだけでなく、法規チェックの手間や手戻りもなくなりそうですね。
コマニーは2017年にBIMを導入したとのことです。まだ、BIMの歴史は浅いですが、既に製造用の細かい部材を扱うBOM(BIM of Material)を構築しています。
同社のBIMデータを使って設計すると、その情報を製造ラインと連携させることができるので、製造作業も楽になるそうです。
コマニーのパーティションを使うことが決まっている場合は、これらのBIMデータを使って設計すると工場の人に喜ばれそうですよ。
建設業と製造業のお互いの「働き方改革」を促進する“思いやりのBIMデータ”と言えそうです。