管理人のイエイリです。
NTTグループの通信インフラ設備は、1960年代から80年代に多く建設されたため、今から20年後には建設後50年以上の設備が約85%を占めることになります。
そこでNTTインフラネット(本社:東京都中央区)は、通信設備の維持管理業務を効率化するため、ICT(情報通信技術)を活用した「Smart Infra プラットフォーム」を構築し、東京23区を対象に運用を開始することになりました。
その大きな特長は、高精度3D空間情報を利用して、地下埋設物を高い位置精度で管理していることです。
これによって、地下を掘削する工事が計画されたとき、工事範囲に埋設物があるかどうかを自動回答できるほか、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ARで地下を“透視”
し、埋設ケーブルがどこにあるのかを地上から確認できるのです。(NTTインフラネットのプレスリリースはこちら)
※AR:拡張現実感
埋設管などを地上から“透視”するのは、工事関係者の夢でした。しかし、既存の設備台帳をもとに地下埋設物を3Dモデル化しても、本当に位置が合っているのかについては、常に一抹の不安がありました。
そこでこのプラットフォームでは、地図情報レベル500に準拠した高精度航空写真や、クルマに3Dレーザースキャナーを搭載して走行しながら路面などを3D計測するMMS(モービル・マッピング・システム)を使って、マンホールや道路境界の位置を計測しました。
これらを位置基準として地下設備の図面の位置合わせをすることで、地下設備に高精度な位置情報や標高データを付けたのです。
今回は東京23区を対象に、上記の図のうち「高精度3D空間情報」と「埋設物有無の自動判定機能」、「立会支援用AR機能」のサービスを開始します。
今後は順次、エリアを広げていくほか、「GIS-DX機能」、「セキュリティー機能」、「IoT機能」を順次、開発していく予定です。
Smart Infra プラットフォームは、NTTグループだけでなく
他のインフラ事業者
も利用可能な仕様になっています。
工事関係者にとっては、埋設ケーブルだけでなく上下水道やガス管など、他の設備も一緒に“透視”できた方が便利です。ぜひ、他のインフラ事業者もこのプラットフォームに“相互乗り入れ”してほしいですね。