管理人のイエイリです。
ドイツのグレバート社(Graebert GmbH)が開発するDWG互換CAD「ARES」シリーズと、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の関係がますます密接になってきました。
2020年12月3日の午後(日本時間)、同社はウェビナーを開催し、日本で2021年4月に発売する最新版の新機能について発表しました。
ARESシリーズは2020年のバージョンアップで、ARESは
ナ、ナ、ナ、ナント、
RevitとIFC形式
を読み込んで、表示や属性情報を見られるようになりました。(詳細は、2020年3月9日付けの当ブログ記事を参照)
その後、ARESはBIMとの連携機能を拡大しています。
今回、発表された最新版は、「ARES 2022」シリーズとなっています。本来なら「2021」とすべきですが、今回、バージョンの数字を1つ飛ばしたとのこと。
新機能としてはまず、BIMモデルを読み込んで平面図や立面図、断面図を作ったり、複数のビューをレイアウトできる機能ができました。
このとき、BIMモデルの属性情報や部材のラベルをそのまま保つのがポイントです。そのため、図面化する際にラベル情報を生かして注釈を自動的に付けるなど、作図作業を自動化できます。
また、ARES上で寸法線を引いた後で、もとのBIMモデルが修正された時は、BIMモデルを読み込み直せば、寸法線も自動的に修正される機能も搭載されました。
これらの新機能を見ると、ARESシリーズは、
BIMモデルを図面化
するための低価格CAD」としての地位を着々と固めてつつあるようです。
これらのBIM関連機能はこれまでWindows版だけでしたが、2022版からはMacOS版やLinux版でも使えるようになります。
同社によると1人のBIMソフトユーザーの裏には、4~10人程度の2次元CADユーザーがいて、図面作成を行っている企業が多いとのことです。
全員が高価なBIMソフトを使うのではなく、図面担当者は低価格なARESシリーズを使うというワークフローによって、BIM導入コストを下げるとい戦略もありですね。
一方、DWG互換CADの「BricsCAD」は、BIMモデルを作成する機能を強化しつつあり、低価格の“ジェネリックBIM”ソフトとしての地位を固めつつあります。(詳細は2020年10月30日付けの当ブログ記事を参照)
DWG互換CADがBIMとの連携を深めることで、新しい市場を開拓しようとしています。ソフトの特長や自社の業務を考えて、様々な使い方ができそうですね。
※「ARES Commander 2020」のベータ版ダウンロードや新機能の資料は、Graebert GmbHのウェブサイトで。