HoloLensでひび割れ図を作成! インフォマティクスが「XRoss野帳」を開発
2020年12月9日

管理人のイエイリです。

MR(複合現実)デバイスの「Microsoft HoloLens 2」は、現実空間の中にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの3Dモデルを重ね合わせて見るのが一般的な使い方です。

MRデバイス、HoloLens2を着けて浄水場のコンクリート壁面をチェックする技術者(以下の写真、資料:インフォマティクス、協力:安部日鋼工業)

上の写真の技術者は、HoloLens 2を着けて浄水場施設のコンクリート壁面をチェックしているところですが、壁面のひび割れをなぞるように、ゆっくりと指を動かしています。

いったい、何を、そんなに確認しながら見ているのかと思いきや、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ひび割れ図を現場で作成

していたのです。(インフォマティクスのプレスリリースはこちら

このシステムは、インフォマティクス(本社:神奈川県川崎市)が開発・販売するHoloLens 2用のMRシステム「GyoEye Holo(ジャイロアイ ホロ)」用のアドオンソフト「XRoss野帳(クロスやちょう)」です。

建物や土木構造物、ライフラインなどの社会インフラの維持管理や検査を効率化するために開発されました。

使い方はHoloLens 2とMicrosoft Surfaceなどのタブレット端末をWi-Fiで連携させます。すると、HoloLens 2が「入力装置」として機能し、タブレット端末上のCADや野帳に直接、ひび割れなどの変状や計測数値などを書き込むことができるのです。

コンクリート壁の模擬ひび割れの位置や形を、HoloLens 2からタブレット端末のCAD図面上に描き込んだところ。画面は開発中のもの

さらに、

写真や音声メモ

も記録することができます。

記録したデータは、Microsoftの3Dコンテンツ用クラウドシステム「Azure Spatial Anchors」を利用した空間アンカー機能を使って現場で簡単に再現できます。

そのため定期点検の際に、前回のデータと比較して経年劣化を確認することもできます。

このシステムは、水道インフラ分野では安部日鋼工業(本社:岐阜市)と連携して浄水場施設で実証実験を行い、有効性を確認しました。

また、橋梁分野ではIHIインフラ建設(本社:東京都江東区)のPC(プレストレストコンクリート)橋梁で、トンネル分野では、鴻池組(本社:大阪市)の山岳トンネル現場で、実証実験を行う予定です。

XRoss野帳の発売は、2021年2月26日の予定です。それまでの間、XR Kaigi(2020年12月8日~10日、オンライン開催)、ウェアラブルエキスポ(2021年1月20日~22日、東京ビッグサイト)、3D&バーチャルリアリティ展(2月3日~5日、幕張メッセ)、建設技術展 C-Xross2020(2月16日~17日、池袋サンシャインシティ)でもXRoss野帳を出展するそうですので、ご興味のある方は出掛けてみてはいかがでしょうか。

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