管理人のイエイリです。
建ロボテック(本社:香川県三木町)では、建物の床や橋梁の床版などの工事で、単純な鉄筋結束作業を行うロボット「鉄筋結束トモロボ」を開発し、2020年1月に発売しました。
現場に配筋された鉄筋をレールとして走行しながら、鉄筋の交点をセンサーで感知し、1カ所あたり3秒弱で自動的に結束作業を行うものです。
現在、全国で50台が稼働しており、これまでに21の企業、56現場で活用されています。(詳しくは、2020年11月12日付けの当ブログ記事を参照)
ただ、鉄筋の終点まで到達すると“レーンチェンジ”のため、人間が「トモロボスライダー」という専用の道具を使って、手動で横移動させる必要がありました。その作業があるため、1人で3台のトモロボを運用するのがやっとでした。
生産性向上のネックになっていたこの作業を何とかしようと、建ロボテックは次なる“新兵器”を開発しました。
このスライダーにセンサーとモーターを搭載し、新開発のトモロボと連携させることで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
レーンチェンジを全自動化
してしまったのです。(建ロボテックのプレスリリースはこちら)
スライダーは鉄筋の端でトモロボの到着を待っています。ある列の鉄筋結束作業を終えたトモロボは、待機しているスライダーに乗り込み、次の列に移動。そして鉄筋結束作業を始めます。
レーンチェンジを自動化した「全自動鉄筋結束トモロボ」は、オペレーター1人で、6台以上の同時運用が可能になりました。
もともと、1台のトモロボは人間の1.3倍のスピードで作業を行います。それが1人の人間が6台のトモロボを従えて作業すると、1.3×6=7.8と、
約8倍の生産性向上
が実現できることになります。
同社では量産機の開発に向けて2021年10月から試験運用を始め、年内の提供開始を目指しています。
さらに、自動スライダーにトモロボの運用管理機能を搭載した「オペレーターロボット」も開発中で、2021年中の完了を目指しています。
これぞ、鉄筋結束作業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)ですね。
この全自動鉄筋結束トモロボは、2021年7月14日~16日、インテックス大阪で開催中の「第4回自動化・省人化ロボット展」でお披露目されています(ブース番号:6B-U14)。ご興味のある方は、見に行ってみてはいかがでしょうか。