元鉄筋工が開発した鉄筋結束ロボが土木にも対応! 3台使えば生産性は4倍に
2020年11月12日

管理人のイエイリです。

建物の床や橋梁の床版の工事では、縦横にずらりと配置された鉄筋の交点を一つ一つ、鉄線で結束していくのは大変な作業です。

この作業はこれまで、高い技能を持った鉄筋工が行っていました。せっかく高度な技能を持っているのに、単調作業に多くの時間や労力をさかなければいけないのはもったいないですね。

そこで建ロボテック(本社:香川県三木町)は、この作業を自動化するため、人間と共に働く協働型鉄筋結束ロボット「トモロボ」を開発し、販売しています。

現場で職人さんとともに働く「トモロボ」(以下の写真、資料:建ロボテック)

「トモロボ」の構造

縦横に配置された鉄筋をレール代わりに利用して、移動しながら

ナ、ナ、ナ、ナント、

鉄筋の交点を自動結束

してくれるのです。(建ロボテックの製品紹介ページはこちら)

センサーによって様々な鉄筋ピッチに自動対応できる

同社の代表取締役を務める眞部達也さんは、元鉄筋工でも炎天下や凍える現場で仕事をしていましたが、なんと言ってもつらかったのが、「先の見えない単純な大量作業の繰り返し」だったそうです。

そこで単純作業はロボットに任せて職人さんを解放し、技能を持った人間はより高度な作業に注力できる「職人力発揮ツール」としてこのロボットを開発したそうです。(下のYouTubeビデオを参照)

ロボットには2本の腕が付いており、ここに市販の鉄筋結束機(MAX製)を付ければ、黙々と鉄筋の交点を見つけて拘束してくれます。

鉄筋結束機を取り付けるアームの部分

ロボット本体の大きさは幅630~930mm(可変式)×奥行き690mm×高さ600mmで、重量は38.5kgです。

鉄筋の端まで行ったら、「トモロボスライダー」という専用の道具を使って、横移動させます。このように時には人間の力を借りることによって機能をシンプルにし、低価格化を実現しています。

そのため「光速鉄筋ソリューション」というオンラインショップで購入できる手軽さです。

2台の鉄筋結束機を使えば、200mmピッチの鉄筋の場合、1カ所当たり2.7秒以下で作業します。人間に比べると1.3倍のスピードなので、1人の人間が3台のトモロボを従えて働くと、生産性は約4倍になる計算です。

これまで、対応できる鉄筋径は建築工事向けの細径(D10~D16)でしたが、このほど富士ピー・エスの協力によって

D19~D29にも対応

できるようになりました。(建ロボテックのプレスリリースはこちら

既に開発は完了しており、2021年1月から富士ピー・エスの現場で実証実験を行った後、同4月からの一般販売を目標にしています。

そのうち、広大な橋梁の床版工事で、多数のトモロボが働く姿が見られそうですね。

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