“BIMの父”、チャック・イーストマン氏死去! SNSにあふれる哀悼メッセージ
2020年11月13日

管理人のイエイリです。

2020年11月9日(米国時間)に、ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)教授のチャック・イーストマン(Chuck Eastman。本名は、Charles M. Eastman)氏が死去しました。

Facebookやツイッターには、世界中のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)関係者からの哀悼のメッセージがあふれています。

FacebookやTwitterには、チャック・イーストマン氏の死を悼むメッセージが、世界中のBIM関係者から寄せられた(画像:Facebook、Twitterより)

BIM関係者からこれほど多くの投稿が寄せられているのは、イーストマン氏が

“BIMの父”

として知られる存在だからです。

チャック・イーストマン氏。2010年6月にジョージア工科大学の研究室で(以下3点の写真:家入龍太)

研究室があったジョージア工科大学建築学科の校舎

ジョージア工科大学のシンボルである時計台(Tech Tower)

1940年生まれのイーストマン氏は、カリフォルニア大学バークレー校で建築を学びました。60年代前半には、コンピューター技術によって設計や製図、建築プロセスを自動化できるツールを夢見ていたそうです。

建築とコンピューターサイエンスの両方を理解し、それに基づいたシステムを開発できる数少ない人物でした。

コンピューターグラフィックス(CG)や設計プロセスの研究を行い、3次元CADツールの一種である「Building Description System(BDS)」を開発しました。

そして、1970年代初頭に現在のBIMの概念を提唱しました。そのため「BIMの父」と呼ばれています。

ロンドンのMaceで上級BIMアドバイザーを務める Marzia Bolpagni氏は、イーストマン氏がカーネギーメロン大学時代に発表した「Building Description System」についての論文概要をツイッターに投稿した

ジョージア工科大学の教授になる前には、カーネギーメロン大学やカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でも教授を務めました。

また、BIMに関する著作も多く、

BIM HANDBOOK

などが知られています。

イーストマン氏らが執筆した「BIM HANDBOOK」の表紙

この「BIM HANDBOOK」は約500ページにも上る大作です。「ACADEMIA」のウェブサイトからPDF版が無料でダウンロードできます。

個人的な話になりますが、私はジョージア工科大学の大学院に83年から84年まで1年間留学していました。

上の写真は、2010年6月、アメリカ建築家協会(AIA)の全米大会がフロリダ州マイアミで開催されたとき、母校訪問とイーストマン氏の取材を兼ねて同校を訪問したとき、撮影したものです。

BIM界に多大な功績を残したチャック・イーストマン氏のご冥福をお祈りします。

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