管理人のイエイリです。
2020年11月9日(米国時間)に、ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)教授のチャック・イーストマン(Chuck Eastman。本名は、Charles M. Eastman)氏が死去しました。
Facebookやツイッターには、世界中のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)関係者からの哀悼のメッセージがあふれています。
BIM関係者からこれほど多くの投稿が寄せられているのは、イーストマン氏が
“BIMの父”
として知られる存在だからです。
1940年生まれのイーストマン氏は、カリフォルニア大学バークレー校で建築を学びました。60年代前半には、コンピューター技術によって設計や製図、建築プロセスを自動化できるツールを夢見ていたそうです。
建築とコンピューターサイエンスの両方を理解し、それに基づいたシステムを開発できる数少ない人物でした。
コンピューターグラフィックス(CG)や設計プロセスの研究を行い、3次元CADツールの一種である「Building Description System(BDS)」を開発しました。
そして、1970年代初頭に現在のBIMの概念を提唱しました。そのため「BIMの父」と呼ばれています。
ジョージア工科大学の教授になる前には、カーネギーメロン大学やカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でも教授を務めました。
また、BIMに関する著作も多く、
BIM HANDBOOK
などが知られています。
この「BIM HANDBOOK」は約500ページにも上る大作です。「ACADEMIA」のウェブサイトからPDF版が無料でダウンロードできます。
個人的な話になりますが、私はジョージア工科大学の大学院に83年から84年まで1年間留学していました。
上の写真は、2010年6月、アメリカ建築家協会(AIA)の全米大会がフロリダ州マイアミで開催されたとき、母校訪問とイーストマン氏の取材を兼ねて同校を訪問したとき、撮影したものです。
BIM界に多大な功績を残したチャック・イーストマン氏のご冥福をお祈りします。