工事写真の生産性向上へ! イラストや黒板を一体化したSVG写真の活用始まる
2020年11月16日

管理人のイエイリです。

2020年3月、国土交通省は工事や業務での写真管理方法を定めた「デジタル写真管理情報基準」を改訂しました。

変わったのは「ファイル形式」の部分で、これまではJPEG形式だけだったのが、「日本産業規格(JIS)に示されるJPEGやTIFF形式」となり、さらに監督職員の承諾が得られれば、動画も使えるようになりました。

2020年3月に改訂された「デジタル写真管理情報基準」の表紙(資料:国土交通省)

ファイル形式についての基準。TIFFや動画の使用も可能になった(資料:国土交通省)

その結果、工事写真に

ナ、ナ、ナ、ナント、

CADのようなレイヤー

を埋め込み、必要に応じて表示、非表示を切り替えることができるようなったのです。

工事写真をレイヤー化する概念(以下の資料:日本建設業連合会)

工事写真にレイヤーを設けて、様々なファイル形式の画像やイラストなどを1つにまとめるためには、「SVG形式」というファイル形式を使います。

JPEGはピクセル(画像の粒子)を縦横に並べる方法で画像を描画する「ラスター形式」であるのに対し、SVGは点の座標や線などの数値データで描画する「ベクター形式」である点が違います。

そしてSVGでは、レイヤーを作ることができるのでCADのように工事写真のレイヤー、電子小黒板のレイヤー、注釈のレイヤーを設けて、必要に応じて表示/非表示を切り替えることができるのです。

写真レイヤーだけを表示したところ

写真レイヤーと電子小黒板レイヤーを表示したところ

さらに注釈レイヤーも含めた全レイヤーを表示したところ

その結果、これまでの配筋検査では、現場でカラーマグネットを張り付けて撮影するといった手間がかかっていたのが、撮影後に注釈レイヤーにイラストなどを書き込むことでよくなりました。

もちろん、工事写真のレイヤーは、これまで通り改ざんができないようにしなければいけません。

工事写真では、実物と設計の対比ということに、なにかと手間ひまがかかりますが、写真の上に直接、注釈が書けると楽になりますね。

法令や基準などにはよく「」という文字が使われますが、この1文字が加わったことの省力化効果には、すごいものがあります。

便利になった工事写真の機能をもっと普及させようと、日本建設業連合会 土木工事技術委員会 土木情報部会 情報共有専門部会では、

レイヤ化活用ガイド

をウェブサイトで無料公開しました。(日本建設業連合会のガイドはこちら

日建連が公開した「変わる!工事写真」施工者のための工事写真レイヤ化活用ガイド

同ガイドによると2020年10月現在、レイヤ化した工事写真の編集ツールと写真管理ソフトを発売しているのは、建設システムだけですが、今後、各社もリリースを予定しています。

各社のレイヤー化対応ツールやソフトのリリース予定

建設業の長時間労働の一因だった工事写真整理の業務は今、360度パノラマカメラや赤外線3Dスキャナー、多眼カメラによる3D写真などの登場で大きく変わろうとしています。

また、スマートフォンやタブレットなどを使った「遠隔立会検査」システムや、VR(バーチャルリアリティー)打ち合わせシステムの録画機能など、工事写真と同等以上の機能を持つものも施工管理や検査などで使われ始めています。

ICT(情報通信技術)の進化で、いよいよ工事写真業務の本格的な生産性向上が始まりそうですね。

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