管理人のイエイリです。
カメラやLiDAR、GNSS(全地球測位システム)を備えたモバイル機器、iPhoneは建設現場の生産性向上に欠かせない道具になりつつあります。
iPhone内蔵のGNSS機能による位置計測の精度も、準天頂衛星「みちびき」 が登場したこともあり、誤差5~10センチメートルまで高まってきました。しかし、「もっと高精度な測位精度がほしい」、というケースもあるでしょう。
そんな高精度が必要なユーザーの間で静かなブームとなっているのが、東京工業大学発のスタートアップ、レフィクシア(本社:東京都港区)が開発した「LRTK Phone 4C」(以下、LRTK)というデバイスです。
このデバイスをiPhoneに取り付けるだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
RTK-GNSS測量機
に変身するのです。
このデバイスを取り付けると、ネットワーク型RTK-GNSSによる位置補正情報が活用できるので、自己位置の測位精度はcm級まで高まります。
そしてiPhoneで撮影した写真や点群にも、高精度な位置情報が付けられるので、場所や時期が異なる画像や点群データを同じ公共座標上で正確に位置を表示できます。
2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災地域でも、LRTK付きiPhoneによって地盤の液状化による電柱の埋没や道路のひび割れなどを計測し、同社の「LRTKクラウド」システム上でアップし、スピーディーに共有できました。
上記の例はクラウドの地図上での位置情報活用ですが、CAD図面やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と組み合わせて、高精度を生かして配筋や仕上げなどの写真をプロットすると、施工管理の生産性向上にも使えそうですね。
また、面白いのは、以前、撮影した場所への
ナビゲーション機能
が使えることです。
以前、写真撮影した場所まで地図上で道案内してくれる機能です。始めは矢印で誘導し、現場に近づくとトータルステーションによる1人墨出しのような画面で、その位置までピンポイントで誘導してくれます。
このナビゲーション機能には撮影した方向も再現する機能がついています。時期を変えて定点撮影した写真を時系列に並べて経年劣化を記録できるほか、埋設管の工事を行った時、後で地上から埋設管の位置を推定するのにも大いに役立ちそうですね。