福岡県直方市とアドバンテックらが樋門をIoT化! 遠隔操作の実用化を目指す
2021年7月8日

管理人のイエイリです。

河川には流域にある多数の水路が流れ込んでいますが、増水時には逆流を防ぐため「樋門(ひもん)」という施設が設けられています。

樋門の開閉作業は、地域から任免された操作員が手作業で行うのが一般的ですが、操作員の高齢化や人手不足の影響で長時間勤務への対策や樋門操作の確実性などの課題も出ています。

福岡県直方市にある遠賀川流域の樋門(以下の写真:福岡県直方市、アドバンテックテクノロジーズ)

樋門を開閉するためのハンドル

こうした問題を解決しようと、福岡県直方市アドバンテックテクノロジーズ(本社:福岡県直方市)は、2020年度から

ナ、ナ、ナ、ナント、

樋門の遠隔監視・制御

を行うため「IoT樋門制御システム」の研究開発を行っているのです。(アドバンテックテクノロジーズのプレスリリースはこちら

アドバンテックテクノロジーズ社内に設置されたIoT樋門システムの試作品。大型ダッシュボードで地域の樋門の状況を一括表示、管理する

IoT樋門制御システムのシステム構成。アドバンテックテクノロジーズのAI、IoTシステム「Advantech Edge+」プラットフォームを採用している

晴天時に行われたIoT樋門制御システムの実証実験。動作の実証に成功した●

これまで、樋門の遠隔制御システムのプロトタイプを開発し、晴天時の動作実証に成功しています。

今後は、実際に樋門を扱う悪天候下でも、このシステムが正常に動作するかや長期間の耐久性について検証していくほか、水位・流向・流速センサーの開発やセキュリティの高度化など、遠隔操作の実用化に向けてさらに研究開発を進めていく予定です。

このシステムの開発や実用化、そして事業化を今後も継続して行うため、直方市と同社は2021年7月2日に、共同研究開発に関する連携協定を締結しました。

連携協定締結式で。左がアドバンテックテクノロジーズ代表取締役社長の石田隆裕氏、右が直方市市長の大塚進弘氏

直方市は2020年に国から

直方市IoT推進ラボ

の選定を受け、市が抱える行政、社会、産業の課題を解決するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。(直方市IoT推進ラボのウェブサイトはこちら

また、アドバンテックテクノロジーズの本社も直方市にあり、AIやIoTプラットフォーム分野で世界トップシェアの台湾・Advantech社グループの日本国内拠点として開発・販売を行っています。

このほか、IoT樋門制御システムの研究には、福岡大学や九州工業大学など地域の産学官メンバーが参加し、プレーヤーの英知を結集して取り組んでいます。

研究開発に参加のメンバー

直方市役所 産業建設部 商工観光課
直方市役所 産業建設部土木課
アドバンテックテクノロジーズ
福岡大学 工学部電子情報工学科 大橋研究室
九州工業大学大学院 情報工学研究院 機械情報工学研究系 渕脇研究室
ジェー・フィルズ
さくらインターネット
キューブリック

地方自治体が地方に拠点を置くIT関連企業や大学と組んで、地域の課題解決をテーマにDXを実践する取り組みは、すばらしいですね。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »