管理人のイエイリです。
工場の建屋やプラント設備などは、高度成長期に建設されたものが多く、人手不足の中、いかに維持管理を行っていくかという課題が顕在化しています。
建屋などの外壁塗装はこれまで、足場をかけて作業するのが普通でしたが、多くの人手やコストが必要になってしまいます。
そこでアイ・ロボティクス(本社:東京都渋谷区)、日本製鉄(本社:東京都千代田区)、日鉄テックスエンジ(本社:東京都千代田区)は、画期的な塗装方法を開発しています。
ナ、ナ、ナ、ナント、
ドローンでロボットを吊り上げ
ながら、建物などの外壁塗装を行う「ドローン壁面補修ソリューション」なのです。(アイ・ロボティクスのプレスリリースはこちら)
空中を飛ぶドローンの位置を高精度に行うことは難しいうえ、ドローンに塗装機を搭載した場合、重心位置を調整するのが課題でした。
そのため、ドローンから直接、塗料を噴射して壁面を塗装する方法は難しく、実運用までは至っていませんでした。
この問題を解決するために導入したのが、外壁吸着ロボットです。塗装用のノズルと壁面までの作業距離を一定に保つことができ、電動ウインチで上下移動に活用することで、移動速度を一定に制御することができます。
また、仮設足場や養生シートがない現場で、塗料が周囲に飛散するのを防ぐために、通常のエアレス式塗装ガンに代えて低圧式塗装ガンを採用し、
エアカーテンなどでハード面
の対策も強化しました。
3社はこのほど、日本製鉄の製鉄所構内でこのシステムの実証実験を行い、位置精度の確保や資材補給の方法、塗料の飛散防止養生対策などについての実用性を確認しました。
ドローンでロボットを吊り上げるという話を聞いて、初めは信じられませんでしたが、最近は数十キログラムの荷物を運搬できるドローンも実用化されています。
今回の方法は、ドローンは位置決めすることなく、単純にロボットを引っ張り上げるだけでよいのでパワーも十分に発揮できそうです。なかなか、うまい方法を考えついたものだと、感心した次第です。