曲がった推進管も“杭ナビリレー”自動測量! アクティオが「Pipe Shot」をレンタル開始
2021年11月17日

管理人のイエイリです。

神社の境内に、トプコンの墨出し用測量機「杭ナビ(LN-150)」と思われる機器がずらりと並んでいます。よく見ると、そのてっぺんにはプリズムが載っています。

ずらりと並んだ墨出し用測量機「杭ナビ」(以下の写真、資料:特記以外はアクティオ)

「杭ナビ」のてっぺんには、なぜか測量用のプリズムが付いている

「杭ナビ」はプリズムの位置を測るのが本来の役目なのに、自分自身にプリズムを付けて何をやっているのかと思いきや、

ナ、ナ、ナ、ナント、

開放トラバース測量

を行っていたのです。(アクティオのプレスリリースはこちら

「開放トラバース測量」とは、ある起点から次の点を測量し、そこから次の点を測量する、ということを繰り返して、最終的な位置を求める測量方法です。起点から終点が見通せない場合に便利です。

開放トラバース測量のイメージ(資料:家入龍太)

この測量方法が必須となるのは、道路を大規模に掘り返すのが難しい現場では、下水管などの埋設管を施工する際に使われる「推進工法」です。

この工法は、発進立て坑からドリル付きのマシンで路面下を掘り進み、その後から次から次へとヒューム管をつないでマシンを到達立て坑まで掘り進めます。

これまでは、各点にトータルステーションなどの測量機を据え付けては次の点を測量し、移動するということを繰り返していました。

しかし、狭いヒューム管内でこうした作業を繰り返すのは、大変な苦渋作業です。

そこでアクティオは、「杭ナビ」にプリズムを付けてカスタマイズした専用測量機を開発しました。

これをヒューム管内の各点に置いてお互いの点の位置を自動計測する一方、起点にはトータルステーション、掘削マシンにはマシンターゲットを取り付けることで、地上の既知点からマシン先端までの座標を

自動的に計測

できるようにした「Pipe Shot」という推進工法用の自動測量システムを開発したのです。

同社では、「Pipe Shot」のレンタルを2021年11月16日に開始しました。

起点となる発進立て坑内にはトータルステーションを設置し、地上の既知点と推進管内の杭ナビの位置をつなぐ

全体のシステム構成

この測量システムは、タブレットパソコンやスマートファンと連携でき、だれでもスピーディーに高精度の測量が行えます。

また、管内に設置する「IoT-BOX」付近ではインターネットに接続することもできるので、坑内からカメラ画像の送信や音声通をも簡単に行えます。

パソコンやスマートフォンと連携しながら、簡単に高精度な測量が行える

本来、プリズムの位置を測るための測量機自体にプリズムを取り付けるという“斜め上の発想”から生まれたアイデア商品と言えるでしょう。

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