管理人のイエイリです。
福井コンピュータアーキテクトが開発、販売する国産BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトの最新版、「GLOOBE 2022」シリーズが、2022年1月19日に発売されることになりました。
GLOOBEシリーズは、設計に対応した「GLOOBE Architect 基本」や、施工に対応した「GLOOBE Construction 基本」などからなります。
今回の目玉は、「GLOOBE Construction 基本」の施工支援機能の強化です。新たに「工程計画プログラム」が追加され、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMモデル、工程表、数量表
が完全連動できるようになったのです。(福井コンピュータアーキテクトのプレスリリースはこちら)
このプログラムは、BIMモデルと躯体数量、歩掛りデータから、適正な工期と部材数量を自動算出するものです。
各作業と日付を指定して、施工ステップをわかりやすく確認できる「4Dビュー」や、期間や工程、工区を考慮して必要数量が集計できる「5Dビュー」の機能を備えています。
BIMモデルの各部と、数量集計の項目が完全にリンクしているため、数量集計の項目ごとにBIMモデルを色分け表示することもできます。根拠が分かりづらい部材も、明確に判断することができます。
もう一つ、「躯体計画プログラム」も追加されました。躯体リストから部材を配置するだけで、建物の躯体や基礎のBIMモデルを構築できます。見上図と見下図をワンタッチで切り替えることができ、符号や寸法線もリアルタイム表示できるので直感的に操作できます。
また、躯体工事を考慮しながら仮設計画を行うといった総合的な施工シミュレーションも可能です。
土工、仮設、躯体などの総合的な施工シミュレーションも行える●
コンクリートや鉄筋、捨てコン砕石は、数量の全体集計や、鉄筋の径別集計なども行えます。
継ぎ手やダイヤフラム、スリーブなどは施工指示や安全管理に活用できるよう、詳細な3Dオブジェクトを備えています。
このほか、施工BIMらしい機能としては、GLOOBE Constructionの施工データから座標データをCSV形式で出力し、
測量機器と連携
させることで、杭芯や山留め、設備基礎などの墨出しや出来形管理などに使えるようになりました。
一方、設計対応の「GLOOBE Architect」は、建築行政センターの確認申請プログラム(申プロ)専用フォーマットの XML出力への対応や、容積率の不算入や緩和などへの対応、省エネ申請機能の改良などが行われました。
ユーザー化の要望に応えてシャッター種別によるプレゼン表現の強化や、建物情報をBIMモデルにリンクする機能なども追加されました。
これらの機能追加で、GLLOBEシリーズは事業計画から設計、施工、維持管理までの建設ライフサイクルをひと通りカバーできるようになったのです。
気になるお値段は、「GLOOBE Architect 基本」が65万円(税抜き。以下同じ)、使用権が年額15万円。「GLOOBE Construction
基本」が72万円、年額21万6000円などとなっています。
GLOOBEシリーズには、以前から現場を3D計測した「点群データ」を読み込む機能がありました。今回の「GLOOBE 2022」シリーズの座標データ書き出し機能によって、リアルな現場とバーチャルなBIMをつなぐ「デジタルツイン」ソフトとして、第一歩を踏み出したと言えるでしょう。