パスコが“デジタルツインの元写真”を提供! 1ギガピクセルの米国製航空カメラで主要都市を撮る
2022年1月12日

管理人のイエイリです。

国土交通省の「PLATEAU(プラトー)」など、都市をまるごと3Dモデル化したデジタルツインの活用に、世界的な注目が集まっています。

例えば、竜巻などの被害を調査するとき、被害前後の写真があれば被害状況の把握は非常にスピーディーで、保険金の支払いも素早く行うことができます。

竜巻の被害前後の航空写真。これがあれば、被害調査や保険金の支払いもスピーディーに行える(写真:Courtesy of VEXCEL)

米国のベクセル・イメージング社(Vexcel Imaging。本社:コロラド州ブルームフィールド)は、こうした目的で使われる航空写真を提供する「Vexcel Data Program」という事業を展開しています。

その日本国内での航空写真データベースの整備を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

パスコ

が行うことになり、2021年11月から撮影を開始したのです。(パスコのプレスリリースはこちら

上空から撮影した兵庫・JR神戸駅周辺の写真

交差点部を拡大したところ

パスコが撮影する範囲は、首都圏、近畿圏、中京圏や政令市、中核市の人が住んでいる場所を中心とした、約5万2000平方キロメートルです。人口カバー率は、68%以上となります。

撮影する画像は、東西南北から斜め45°から撮影した「オブリーク画像」、真上から撮った「トゥルーオルソ画像」、目に見えない近赤外線部を含む「マルチスペクトル画像」、そして数値標高モデル(DSM)が含まれます。

その地上解像度は、

7.5cmという細かさ

で地上の状況を把握することができます。

画像の用途としては、現況都市モデルの構築や河川管理業務のもとになる現況地形の再現、カーナビや自動運転に使用される高精度地図の作成、自治体が整備する都市計画基本図などのほか、携帯基地局の設置位置を検討するための電波伝搬解析など、まさに「都市のデジタルツイン」をターゲットにしています。

この撮影に使われるカメラは、ベクセル・イメージング社の「UltraCam Osprey 4.1」という高性能のもので、1.1ギガピクセルの写真を0.7秒ごとに撮影する性能を持っています。

撮影に使用する高性能カメラ「UltraCam Osprey 4.1」

パスコは2022年4月から、日本におけるベクセル社の独占再販パートナーとして、日本主要都市の超高精度航空写真や空間情報データの提供を開始します。

今後、生産年齢人口の減少により、社会インフラなどの維持管理はデジタルツインで行うことが増えてくるでしょう。そのもとになる航空写真や地下埋設物のデータに対するニーズは、面的にも時間的にも増えてきます。

そのニーズを見越して、測量会社などは従来のように特定の依頼ごとに測量などを行うのではなく、あらかじめデータベースとして整備しておき、それを切り売りするというビジネスも有望になりそうですね。

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