かにクレーンが建設用3Dプリンターに変身! 仏Constructions 3D社が開発した「MaxiPrinter」
2023年1月12日

管理人のイエイリです。

フランス北東部のブリュエ・シュル・レスコーにあるConstructions 3D社は最近。動画配信サイト「YouTube」で、ある動画を公開しました。

20フィートコンテナで、クローラー付きの小型建機が現場に運ばれると、建機に取り付けられた巨大なアウトリガーで、高々と建機を持ち上げて施工の準備を行います。

20フィートコンテナで運ばれてきた建機(特記以外の写真、資料:Courtesy of Constructions 3D)

20フィートコンテナで運ばれてきた建機(特記以外の写真、資料:Courtesy of Constructions 3D)

コンテナからおろされたクローラー付き建機

コンテナからおろされたクローラー付き建機

アウトリガーを広げて空中に固定された建機

アウトリガーを広げて空中に固定された建機

建設関係者の多くは、「ああ、前田製作所かにクレーンじゃないか。日本ではよく見かけるよ」と、思われるかもしれません。

しかし、この建機はかにクレーンではなく、

ナ、ナ、ナ、ナント、

建設用3Dプリンター

だったのです。

建物の中央部に陣取り、ブーム先端のノズルからコンクリート状の材料を積層して壁を作る「MaxiPrinter」

建物の中央部に陣取り、ブーム先端のノズルからコンクリート状の材料を積層して壁を作る「MaxiPrinter」

この建設用3Dプリンターは、Constructions 3D社が開発した「MaxiPrinter」というものです。

建物の中央に陣取り、周囲の壁をぐるりと造形していきます。そして壁ができたら、全体をコンパクトに折りたたんで、ドアなどから“退場”すれば、効率的に作業が行えます。

曲線状の壁も楽々造形

曲線状の壁も楽々造形

開口部の上は、橋渡しをして造形

開口部の上は、橋渡しをして造形

施工後は全体を折りたたむと、ドアからでも退場できる

施工後は全体を折りたたむと、ドアからでも退場できる

壁の空洞部には、地元のもみ殻などを断熱材として入れられる

壁の空洞部には、地元のもみ殻などを断熱材として入れられる

屋上の施工は従来工法で

屋上の施工は従来工法で

完成した建物

完成した建物

建機として完成され小型で機動力のある「かにクレーン」に、自動制御装置を取り付けて、3Dプリンター化したものでしょうか。

気になるお値段ですが、MaxiPrinter本体や材料混練用のサイロ、ソフトウエア、トレーニングなど含めた一式パッケージで

49万5000ユーロ

なのです。1ユーロ=143円として円換算すると、約7078万円になります。

MaxiPrinterのパッケージ一式の内容(左)と、前田製作所のかにクレーン「MK1033CW-1」型(右)(右写真:前田製作所)

MaxiPrinterのパッケージ一式の内容(左)と、前田製作所のかにクレーン「MK1033CW-1」型(右)(右写真:前田製作所)

Constructions 3D社のウェブサイトには、特にかにクレーンをベースマシンとしたという説明はありませんが、建機の外観からは、ナックルブームが付いたかにクレーン「MK1033CW-1」型とそっくりです。

コンパクトで機動力があり、完成された領域のかにクレーンが、フランスで3Dプリンターとして活用されているのを知って、大いに感動しました。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »