横河ブリッジらがタブレットで“現物合わせDX”! アンカーボルトの位置と傾きを一発計測
2024年8月9日

管理人のイエイリです。

橋梁の工事では、耐震補強工事の落橋防止工や防護柵などの取り付けに、「あと施工アンカー」を使うことがよくあります。

アンカーは鉄筋などを避けて打設する必要があるため、追加の構造物はアンカーを打設後に“現物合わせ”でボルト穴を開けて加工します。

しかし、これまではアンカーボルトの配置や傾きを、フィルムや差し金を使って手計測していたため、計測精度が担当者の技量や経験によって異なったり、転記ミスなどのヒューマンエラーがあったりという課題もありました。

そこで横河ブリッジは、米国のドット・プロダクト社(DotProduct LLC。本社:マサチューセッツ州ノーウッド)と共同で、打設されたアンカーの配置や傾きを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

タブレットで一発計測

できる技術を開発したのです。(横河ブリッジのプレスリリースはこちら

橋梁に打設したあと施工アンカーのセンターにタグを取り付け、タブレットで計測する様子(以下の写真、資料:横河ブリッジ)

橋梁に打設したあと施工アンカーのセンターにタグを取り付け、タブレットで計測する様子(以下の写真、資料:横河ブリッジ)

データ化されたアンカーの傾きを色分け表示したもの。誤差が許容範囲内のものは緑色、範囲外のものは赤色の枠が表示される

データ化されたアンカーの傾きを色分け表示したもの。誤差が許容範囲内のものは緑色、範囲外のものは赤色の枠が表示される

アンカーの中心座標とCSV形式で出力されたデータ

アンカーの中心座標とCSV形式で出力されたデータ

この計測技術は、ドット・プロダクト社の3D計測アプリ「Dot3D Pro」の「アンカーボルトモード」として開発されました。

計測するときは、アンカーボルトの先端やコンクリート基準面に専用の「タグ」を取り付け、その位置や角度をもとに、

かつてない精度

で、アンカーの配置や傾きを計測できます。

さらにアンカーの配置と角度を3Dイメージで即座に作成し、アンカーの傾きを色分け表示で合否を判定できるようにしました。

コンクリート基準面に取り付けるタグ(左)とアンカー先端に取り付けるタグ(右)

コンクリート基準面に取り付けるタグ(左)とアンカー先端に取り付けるタグ(右)

アンカーの位置や傾き、許容値などを設定する画面

アンカーの位置や傾き、許容値などを設定する画面

この新機能は近日中にドット・プロダクト社からリリースされる予定です。日本国内での販売はミルトス(本社:東京都千代田区)が行います。

あと施工アンカーで取り付ける部材は、何本ものアンカーに合わせて正確に穴開けする必要があるので、1本でも測定ミスがあると手戻りになってしまいます。

その点、このアプリは現場で精度よく計測でき、その場で合否もわかり、結果をデータで出力するので、現物合わせ界のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を実現してくれそうですね。

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