管理人のイエイリです。
設計事務所のベクトル・ジャパン(本社:東京都中央区)と言えば、建築・土木からプラントまで幅広い分野の建物や構造物を、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って施工図に迫るほどの詳細さで設計する実力で知られています。(2020年9月14日付のサクセスストーリーを参照)
同社は2024年9月18日に、新事業として「REBAR SYSTEM」という通販サイトを立ち上げました。
このサイトで売っているものは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
加工済み鉄筋
なのです。(ベクトル・ジャパンのプレスリリースはこちら)
使い方は簡単。パソコンやスマートフォンでこのサイトにアクセスし、鉄筋の種類や加工パターンを選択し、長さや数量などを入力するだけです。
選択できる加工パターンは全部で27種類も用意されているので、急な資材不足の際も、手軽に注文できます。銀行振り込みによって代金を支払うと、現場にトラックで鉄筋が配送されてきます。
いったい、どんな風に注文できるのかを体験するため、D13で900mm×700mm角のフープ筋(補強用の輪状鉄筋)を150本、“仮想注文”してみました。
その結果、価格は10万4096円と、即座に表示されました。このほか、鉄筋のサイズや重量によって中型トラックまたは大型トラックの配送料金がかかります。
配送可能範囲は、現在のところ関東の1都6県ですが、今後は日本全国への対応も可能にしていきます。同社の調べでは、事業者向けの加工済み鉄筋通販サイトは日本初とのことです。
ベクトル・ジャパンはこのほか、「配筋DX」への取り組みとして、配筋BIMモデルによって
構造計算から鉄筋納入
までを一貫して行うシステムを構築しました。
これまでは構造図から職人が鉄筋を1本1本、手作業で数量を拾い、重量を計算していましたが、職人の高齢化や人手不足が大きな課題となっています。それを同社のBIM活用力で解決しようというシステムなのです。
これまでの配筋BIMモデルは、鉄筋が密集する部分の干渉チェックなどに使われてきましたが、これからは鉄筋の数量計算や加工などにも威力を発揮しそうですね。