管理人のイエイリです。
設計図通りの寸法・形で、実物の構造物が施工されているかを確認・検査する「出来形管理」の結果を発注者に報告する出来形調書は、発注者や工種などによって様々な様式があり、システム化が進みにくい要因になっていました。
もし、出来形調書の様式が統一されると、工事の受注者は書類作成の手間が大幅に削減され、生産性向上や働き方改革につながります。

これまでは現場での作業終了後、事務所に戻り、発注者の様式に合わせた出来形調書を作成・提出する必要があった(上段)が、書式が統一された後は現場で施工管理ソフトに寸法などを入力し、送信するだけでよくなる(下段)(資料:NEXCO東日本)
そこでNEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本の3社は、施工管理ソフトウェア産業協会(J-COMSIA)とともに、コンクリート工事における出来形調書のパターンを整理し、標準的な出来形調書の様式を定めました。(2024年10月3日の当ブログ参照)
そしてこの統一書式に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ベンダー4社の施工管理ソフト
5本が対応し、製品が提供されることになったのです。(J-COMSIAのプレスリリースはこちら)
統一書式に対応した製品は、建設システムの「出来形管理システム」と「出来形管理クラウド」、福井コンピュータの「EX-TREND武蔵」、MetaMoJiの「eYACHO」、そしてワイズの「出来形マネージャ」です。
ベンダー名 | 製品名 |
建設システム | 出来形管理システム |
建設システム | 出来形管理クラウド |
福井コンピュータ | EX-TREND武蔵 |
MetaMoJi | eYACHO |
ワイズ | 出来形マネージャ |
これらのソフトは、NEXCO3社が2024年10月から実施する
試行工事で活用
され2025年1月~3月には試行結果を踏まえた検証が行われます。
そして同7月にはNEXCOの「コンクリート施工管理要領」も改定される予定です。
建設業界ではこれ以外にも、従来の紙ベースによるワークフローの名残として、似て非なる書式が多数存在しています。
発注者間で書式を整理・統一できれば、ソフトベンダーも標準仕様で書式を搭載しやすくなり、受注者の書類作成の負担も大幅に軽減されます。今後も様々なところで“書式統一DX”が始まりそうですね。